テーマ:本のある暮らし(3217)
カテゴリ:ミステリ関連
久しぶりに挫折しました。
古野まほろさんの『天帝のはしたなき果実』。第35回メフィスト賞受賞作品です。 本格と幻想とSFが奇跡のように融合した青春ミステリ。という紹介にひかれ図書館で予約しました。 裏表紙に書かれた有栖川さんの文にもそそられました。 中井英夫の『虚無への供物』に人生を狂わされ、新本格推理をプロデュースした宇山日出臣。奇跡的なめぐり合わせにより、本書はその名伯楽からの最後の贈り物にして最大の挑発となった。これこそ、虚無なる青春への供物。真正の本格にして破格のミステリ。この美酒に天帝は必ずや微笑む。――有栖川有栖 『虚無への供物』(感想)も読んだばかりだし、ちょうどいと思ったのです。 10分の1も読まないうちに返却期限が来てしまいましたが、予約が入っている本は延長できませんから、泣く泣く返却することに……。 京極さんをも超えそうな817ページという厚さにも圧倒されましたが、でも1段組みです。 それよりも、音楽用語やルビが振られた言葉がたくさんたくさん出てくるところで時間をとられました。 日本語の言葉に、ロシア語やフランス語(多分ですが)のカタカナが振られています。 漢字を読んで、ルビも読むので二度手間です。 スラスラ読み進めたいのに、正直ルビがうるさいと思ってしまいました。 名門勁草館高校が舞台となっていて、90年代の話ながら軍人がいたり帝国大学があったりと、今とは違うもう一つの日本のようです。 吹奏楽部には誰もが2~3か国語ペラペラだという生意気なお坊ちゃん、お嬢ちゃんばかりいて、なぜかライトノベルっぽいノリです。 学園物は好きなので、この独特の世界に入り込めれば、なかなか面白そうです。 事件らしい事件もこれからのようですし…。 次回はルビを無視するか(果たして無視できるのか)、しっかり体力をつけて(もしかしたら気力で)臨むかして再チャレンジしたいと思います。 口ばっかりで天帝はあきれる、ということになる恐れもありますが……。 天帝のはしたなき果実 : 古野まほろ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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