858878 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

ミステリの部屋

ミステリの部屋

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2007年06月27日
XML
瀟洒なホテルの中庭。こぢんまりとしたパーティの席上で、気鋭の脚本家が不可解な死を遂げた。
周りにいたのは、次の芝居のヒロイン候補たち。
芝居とミステリが融合し、まったく新しい恩田ミステリの幕が開く―。

(「BOOK」データベースより)

私の家で、マトリーシュカちゃんと呼んでいた人形を思い出しました。
娘がまだ小さい頃に、おじいちゃんが買ってくれたもので、娘のお気に入りでした。
中が空洞になっていて上下にはずれて中から少し小さい人形が出てくるのです。
その人形のなかにはさらに小さな人形が、と言うことが4、5回くりかえされます。

この作品はそのマトリーシュカちゃんに似ています。
つまり入れ子構造ということです。
面白い不思議な感覚を味わうことができました。

これだけで済ませたいけれど、そうもいかないので少しだけ丁寧に書いてみます。

大まかに言うと、三つの話が交互に進んでいきます。

「中庭にて」
ホテルの中庭が隠れ家のようになっているカフェ・レストランで、二人の女優が亡くなった脚本家の死の真相について話しています。
「旅人たち」
年配の男と若い男が、深い山に中をどこかを目指して歩いていきます。
『中庭の出来事』
三人の女優たちがオーディションを受けています。その芝居の脚本を書いたのは「中庭にて」の亡くなった脚本家です。

同じようなでき事が繰り返されるけれど、固有名詞があったりなかったりして、だんだん不安になります。

これは現実なのか? それとも劇の中のできごとなのか? それとも劇の中に出てくる劇の中でのできごとなのか?
わからなくなってきます。

内側の話だと思っていたら、いつの間にか外側になっていたり、外側が内側になっていたり、
中庭がぐるぐる回りだす場面があるのですが、読んでいる私もまさにその状態です。

めまいを感じる作品でした。

ところが最後には全てにすっきり結末がついていることがわかります。

でも、それがわかるまでに、私には少し時間がかかりました。

わかったと思いました。

ところが、あれはどうだったんだろう?とまたいつの間にか考え続けています。

めまいは今も続いているようです。


この話がケータイ文庫で配信されていたなんてとても信じられません。


 中庭の出来事 : 恩田陸









お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007年06月27日 19時42分04秒
コメント(0) | コメントを書く
[日本ミステリ(あ行作家)] カテゴリの最新記事


PR

フリーページ

日記/記事の投稿

カテゴリ

バックナンバー

2024年05月
2024年04月
2024年03月
2024年02月
2024年01月
2023年12月
2023年11月

コメント新着

アルビレオ@ Re:冷凍ロールケーキ(02/07) 書き出しの「待っていたロールケーキが届…
アルビレオ@ Re:節分もどき(02/03) 恵方巻きって確かに子どもの頃 福岡には…
アルビレオ@ Re:つらいときは(02/02) 「情けは人のためならず」って、何か辛い…
アルビレオ@ Re:マフラー(01/29) samiado さん 編み物も🧶されるんですね…
アルビレオ@ Re:寒い日が続くので(01/27) 素敵ですね。息子さんと一緒にダンスなん…
アルビレオ@ Re:ぼくらの先生!: はやみねかおる(01/26) 今日は本の大好きな親友のお誕生日です。…
大嶋昌治@ RAPTURE. はじめまして。福井市在住の大嶋昌治(お…

お気に入りブログ

『三体Ⅱ』買 shovさん

未定の予定~ラビ的… みっつ君さん
留年候補生W2.0… 留年候補生W2.0さん
魔女の隠れ家 たばさ6992さん
ちょっと休憩 ときあさぎさん

キーワードサーチ

▼キーワード検索

サイド自由欄


© Rakuten Group, Inc.