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2010年07月06日
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江戸北町奉行同心・笹岡伊織の娘瑞江は、おば様と呼んでいる御年寄職・浦尾の勧めで、大名砥部家奥御殿に奉公へ。
否応なく、陰湿ないじめや、長局内の勢力争いに巻き込まれていく。
折しも、砥部家に勤める女が 役者と起こした心中事件を、伊織が探索することになり…。
閉ざされた“女の城” で瑞江が遭遇する 不可解な事件の数々。
家と血の絆を巡る 長編時代ミステリー。
内容(「BOOK」データベースより)


非道、行ずべからず』、『家、家にあらず』、『道絶えずば、また』の三作は、「花伝書」シリーズと呼ばれています。
タイトルはすべて世阿弥の「風姿花伝」からとられているとのこと。

『非道、行ずべからず』には、歌舞伎界の裏表が描かれていました。
『家、家にあらず』は、大名家の奥御殿の話が中心になっていて、『非道~』よりも時間的には前の話になります。
しかも、共通する登場人物もいるので、「ああ、あの人が……。」と思いながら読みました。

大名家にも奥御殿があるとは、知りませんでしたが、奉公にあがったばかりで右も左もわからない瑞江の視点で描かれるので、すんなりと物語の世界に入っていくことができました。

瑞江が小さい頃「おば様」と呼んでいた浦尾は、奥御殿で御年寄という高い地位にいましたが、瑞江を特別扱いはしません。

そのことでかえって同僚にいじめられたり、上下関係やしきたりに苦労したりするものの、瑞江はだんだんと仕事に慣れていきます。
そんなとき、奥で人が亡くなる事件が起こります。

そのころ、北町奉行所の同心である瑞江の父は、人気役者とお宿下がりをしていた御殿女中の心中事件を調べていました。

大名屋敷の内と外で起こった事件は、どうつながるのでしょうか。


「家」とは、「女の人生」とは、と深く考えさせられる作品でしたが、同時に、しっかり伏線が張りめぐらされたミステリーでもありました。

水面下でじりじりと広がっていく黒い渦に、戦いを挑むようなクライマックスの場面は衝撃的でした。そして、目頭が熱くなりました。

しばらくその衝撃が忘れられそうにありません。

松井今朝子さんが、かなり好きになりました。
次は『道絶えずば、また』を読もうと思います。



    









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最終更新日  2010年07月06日 21時50分00秒
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