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大正時代の『少年倶楽部』がほしくて 古書市とみるとほっつき歩いていますが、 まだめぐりあう機会を得ません (みつかっても、あまりに高価だとこれまた買えませんが(笑)(泣))。 今回、四天王寺の古書即売会で発掘したのは 新光社刊の『世界少年』。 新光社は現在の誠文堂新光社の前身、 現在も発売中の『子供の科学』創刊は大正13年、その少し以前。 くわしくは、こちら。 大正9(1920)年7月号。 大正10年1月号・2月号。 当時、人気・売り上げともにトップだったのが 実業之日本社の『日本少年』、 大日本雄弁会講談社の『少年倶楽部』はすでにメジャーな地位を確立 していたとはいえ、少年誌のトップ独走・全盛をきわめるのは やはり昭和戦前になってからのようです。 大正デモクラシーのなか 自由な表現を希求する新たな才能がつぎつぎ現れて 創刊された多くの雑誌が売り上げを競っていた時期、 本誌も同じく、 小学校高学年から中学1,2年あたりの 児童・生徒対象の人気雑誌だったのでしょう。 看板作家のおひとりだったと目される『藤波美登里』。 ネットで検索しても何も出てこないので 残念ながら来歴はわかりません。 男性か女性かもわかりませんが 筆名ややさしい文体から、うら若き女性を連想します。 感傷的ともいえるたおやかでどこか寂しげな文章と内容、 しかしその文面にはめぐまれない人々の境遇(貧しい子や親のない子) への思いやり、共感と同情がこめられている。 やはり、若い女性の作家でしょうか。 ・・・女学校時代から詩や文に親しみ、やがて雑誌に投稿するようになり、 採用の期待に胸ふるわせながら出版社にむかう うら若き文学乙女・・・ と、勝手に連想してしまいました。 水野葉舟も執筆。ピーターラビットふう? 挿絵画家不詳ながら、『鳥獣戯画』をシャープにしたような描線が素敵。 水野葉舟はこの2、3年後、同誌上でお得意の怪奇心霊物を発表して人気をあつめたようです。 編集者がおしのびで説話の主人公を訪ねる設定の、 ユーモラスなよみもの。 おそろしげな大江山酒呑童子は記者に葉巻をすすめながら、 記者のすすめた砂糖豆(甘納豆?)にふるえあがり (節分の豆まきにひっかけてある?)、 白い髭の好々爺、浦島太郎は商魂たくましく 「竜宮の絵葉書セット」を強引に記者に売りつけて記者をへこませる。 江戸の偽作、滑稽本の流れをくみ、 たどりつく先は現在のギャグマンガでしょうか。 なつかしいのに、どこか新しく、時代を経ても 変わらないのは「人々の気持ち、思い、人の心」。
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