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倖和(サチナゴム)の妄想小説・・・

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2008年01月22日
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カテゴリ:戦争ゲーム
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↑ちょっと気合いが入ってきました。がんばります!

大国アメリカが没落した後の世界を想像しています……
その御伽噺第256話です。

「“サトヤマ”システムが飛行石文明と密接な関係があるとはどういうことですか」
 と、加藤がたずねた。天皇はガラスの前に立つとじっと海底を眺めている。そのままの姿勢で話し始めた。

「地球は一個の生命体です。生きています。生きているから老廃物が貯まる。その老廃物を資源という形で取り出すのが人類の役割なのです」
「人類の役割?」
 まるで大学教授かなにかのような雰囲気を漂わせている天皇の話に加藤はどんどん引き込まれて行く。天皇は海底を見続けながら話す。

「人類の築く文明と言うのは、地球にとっては薬のようなものです。地球はときどき病にかかる。原因は地球上に溜まった老廃物です。例えば石炭や石油です。生命体の残骸である石炭や石油は地球にとってはそのまま放置すれば毒素になる。つまり地球にとっては不必要なゴミなのです。限界を超えて溜まれば地球は磁性体の力が弱まり公転周期が乱れ死ぬ。死ねばばらばらの岩石となってまるで土星の輪のように軌道上にちりばめられてしまいます。そうなる前に人類の文明による消費活動が老廃物を分解し取り除くのです。その分解作用がいわゆる文明そのものの働きなのです。地球は自分の体内に貯まった老廃物を人類の文明によって排出しているのです。

地球に存在する人類以外の生命体は地球の生命体活動そのものです。原生林の植物やサバンナの動物や海の生き物は地球の命そのものです。地球上にある生命体の中で人類だけが違うのです。人類は文明をもってその老廃物を処理するための薬なのです。だから地球が病を克服すれば人類は用済みです。そこで飛行石が登場する。今度は人類が浄化されてしまいます」

「まるでSFですな」
 と、キムジョンナムがいった。そして、
「映画好きの父、キムジョンイルが聞いたら喜びそうな話です」
 と、いって笑った。天皇は振り返った。そして、

「確かに空想的な話ですが、事実です。東アジア大戦によって、われわれ人類の文明は次のフェーズに入りつつある。ここで文明の舵取りを間違えると薬でいうところの副作用のようなものが発生し、地球もろとも人類は滅ぶ。いわば人類が地球にとっての癌になってしまうのです。癌はおろかだ。自分の命を支えるはずの宿主を滅ぼし自らも死滅します」
 と、いって目をつぶった。

「なるほど」
 と、今度はキム“教授”がうなずいた。
「そこで“サトヤマ”システムの登場となるわけですね」

「おっしゃる通りです」
 と、天皇が微笑んだ。
「“サトヤマ”システムは文明という毒を中和します。人類が地球と共存するためです」

加藤は天皇があたかも神の使いのように思えてきた。全面ガラス張りの部屋には神秘的な景色が広がっている。加藤はそこから神の声が聞こえてきそうな錯覚を覚えた。




続く。













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最終更新日  2008年01月22日 08時53分16秒
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