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倖和(サチナゴム)の妄想小説・・・

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2008年01月24日
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カテゴリ:戦争ゲーム
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↑ちょっと気合いが入ってきました。がんばります!

大国アメリカが没落した後の世界を想像しています……
その御伽噺第258話です。

「地球がガイアと呼ばれ、そこに生きるものたちとの相互作用で環境はつくられていると聞いたことがあります」
 と、加藤がいった。

「そのような側面はあります。もっといえば、生物の進化という事実はないのです」
 と、天皇は驚くべきことを言い出した。
「実際、今地球に生きている生物が進化したことはなかったでしょう。例えばねずみに羽根が生えたり、魚に足が生えて陸地に上がったりすることはなかったでしょう」
「そりゃあそうでしょう」
 と、キムジョンナムが笑った。
「確かめようがないですよ、我々の短い人生では。何億何十億の間に起こるゆっくりした変化など」

「ゆっくりした変化などない、ガイアの変化は突然に堰を切ったようにどっと起きるのです。つまりは突然変異です。あの恐竜も突然現れて突然消え去った。人類もそうです、突然現れたのです。恐竜も人類もガイアが自然治癒するために生み出した薬なのです。つまり、恐竜や人類などの突出した生命体は、地球が自らの新陳代謝を活性化させるための存在なのです。地球の老廃物を資源として消費し地球の掃除をしているのです。フンを食べて有機物に分解する微生物のような役割にも似ています。人類の文明によって炭素ガスが充満し地球が温暖化することは、まったく自然なことです。地球が熱を出しているのです。その熱で自分の病気と戦っているわけです。今の地球は温暖化を必要としているのです」
 天皇はそういうと、部屋を歩き出した。

「だから、温暖化を人類が止めることはできない。地球がそれを望んでいるからです。だが、いずれは薬としての人類の役割は終わります。そのときが肝心です。人類は新人類として進化しなければならない。それが“サトヤマ”システムの真の目的です。もちろん現在の文明は必要なくなります。むしろ類人猿に近い生活スタイルになっていくでしょう。それが“サトヤマ”システムの目指すところなのです」
「自動車や携帯電話が無くなるということですか」
 天皇の説明にキムジョンナムがたずねた。

「そうです。自動車がなくても携帯電話がなくても十分生活出来るような変化が人類の肉体に生じます。特に脳においてです。人が地球という生命体の一部になり地球とともに生きていくのです。そして、地球はまた老廃物を溜め込んで行く。その老廃物の種類によって次の薬たる特異な生命体が生み出されるのです」
 と、話しながら歩いていた天皇は室内の天井からつり下げられているモニターの前に立った。

「見てください」
 と、天皇がいった。加藤らが集まって、いわれるままにモニターを見た。

「“サトヤマ”システムは全世界に広がりつつある。これがある程度広がると人類に変化が起きます。より自然に近づく。一方、ヨーロッパで発生した産業革命以降育んできた炭素エネルギー文明は飛行石の技術が完成するとともに地上から飛び上がり、次の機会を待つのです。これを旨く成し遂げれば人類は恐竜のように滅びはしません。生きながらえることができ、また地球の薬としてやがてくるであろう次の治療時代に文明を築くのです」
 と、天皇はいった。

「それをわれわれが行なうわけですか?」
 と、加藤がたずねた。
「そう、そのとおりです。われわれがいわゆる伝説の神々になるのです」
 天皇は大真面目な顔をしていった。




続く。













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最終更新日  2008年01月24日 09時31分53秒
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