倖和（サチナゴム）の妄想小説・・・

　ネット報道によると自殺した若き電通レディはシングルマザーのもとで育ち母親の経済的な苦労も知っていたので予備校にも通わず独力で東大、そして大手の電通に就職しました。勝ち組です。ところが…会社は彼女にとってブラックそのもの。
　
　会社では深夜帰宅や長時間労働だけはなく罵詈雑言を浴びせられてプライドズタボロも、母親に迷惑はかけられないとコストのかからない会社の寮に住み、愚痴もこぼさず我慢に我慢を重ねた結果、すべてが悪い方向に周って最悪の結果となりました。母親に心配かけたくない心遣いがアダとなった痛々しい、全くの悲劇です。母親の悲しみや無念は如何ほどでしょう。
　
　しかし、電通側の本音はその電通レディはやはり使えないやつ、だったに違いありません。自殺されたせいで報道で派手に非難され、お役所からも指導を食らい最後まで迷惑ばかりかけやがってと苦々しく思っているでしょう。その本音が元電通マンの教授からぽろりと出ました。彼も本当のことを言ったために処分される羽目に…。
　
　バブル崩壊以降日本の企業が徐々に枯れてきた感じがします。何より人を育てられなくなり、結果部下や同僚そして上司を心から信じられなくなっているのです。マーケティングの数字だけが絆の証となりました。
　
　自殺した女性はおそらく真面目で明るい性格だったため企画は普通かありきたりのものしか出せなかったと思います。突き抜けたものがなかった。それでみんなの欲求不満のはけ口となってしまったのです。学校のいじめの構造とよく似ています。いじめの加害者よりもその周りの連中が一番原因を作っているあれです。つまり陰湿なのです。
　
　自分の子供が東大に入学できたら喜ぶでしょう。そして電通に就職できたらもっと喜ぶでしょう。大手ですからね。だからそこで挫折し辞めたら正直がっかりするでしょう。大好きな母親の笑顔を曇らせたくない優しい心遣いが彼女を死に追いやってしまったのはなんとも無念なことです。まともすぎてやられてしまったのです。
　
　彼女の死の根本原因は母親です。頑張りすぎです。離婚によるダメージなどあってたまるかと歯を食いしばって弱音を吐かずに闘ってきたはずです。その成功体験が娘の死の落とし穴になったのです。いい加減な人だったら何度も娘の前で自らの挫折を笑い自分を許す方便を見つけていたでしょう。娘も東大に行かず電通にもいかなかったと思います。嫌なことがあったらすぐ職場を変わったか家に戻って母親に甘えていたでしょう。疲れたら休めばいいだけの話なのですから。
　
　電通の人も報道では全くの悪人ですが、あまりにも彼女が母親譲りの真面目で頑固で勝ち気な性格のためしびれを切らしてしまったのでしょう。つい、きつい表現になって自分と彼女、両方を追い詰めていったのです。クライアントの自分勝手でいい加減な態度に、日々何度も腸煮えくり返る思いをさせられているはずです。彼らも自分を許すことができなくなっているのです。それが他人に対する思いやりの心を奪っています。
　
　マーケティングの世界は非情です。数字が全てです。だから成功しか許されないのです。ただしその成功が目の前の成功だけしか認められないのがつらい。ノーベル賞受賞者の失敗こそ成功の種である、という談話をどう聞いているのでしょうか？　だから日本はいつまでたってもデフレ、すなわち日本そのものの値下がり状態から抜け出せないのです。アベノミクスや金融政策の問題ではありません。根本的な民族的課題です。これで日本は先の戦争でコテンパンに負けたのですから。
　
　女性の冥福を心からお祈りします。それから一日も早く母親の心に平安の日々が訪れますよう。
　
Destiny 体験版を遊びつくしてみた。
貴婦人の乗馬他　オーケストレーション


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↑ストーリーをつくるのは本当に面白いです。これでオリジナルな漫画かイラストが書けるといいのですが・・・がんばります！
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by 倖和（サチナゴム）
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