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Feb 11, 2008
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この曲はその名の通り、チャイコフスキーがイタリアのフィレンツェに旅行に行ったときに着想されたそうだ。チャイコフスキーは何度かイタリアに出かけていて、その時に着想された曲には「イタリア奇想曲」などがある。どちらの曲にしても、「これがイタリア的な感じ」というのは、うまく説明できないが、わかるような気がする。おそらくリズムや節回し、使われている調などが重なり合ってそういったものが醸し出されているのだろう(イタリア奇想曲の場合には民謡がそのまま使われている場所があるのだが、この曲についてはよくわからない)。また、この作品はかなり晩年に作曲されたもので、チャイコフスキーのそれまでの作品で使われた主題や手法があらゆる場所に顔を出しているという点でも楽しめる。例えば、ある断片をヴァイオリンから順番にチェロ(オケの場合はコントラバス)まで順番に弾かせて、今度は逆順でヴァイオリンまで弾かせるというやり方(逆の場合もある)で、スコアで見るとV字型に見えるのはなかなか面白い(交響曲第4番にこれが使われている)。

第1楽章は、冒頭からいきなりテンションの高い和音で始まり、内声部が分厚い音でリズムを刻む。しばらくテンションの高いまま一気に駆け抜け、穏やかな部分がやってくる。このメロディはいかにもチャイコフスキーらしい。3拍子のメロディの中に2連符が入ってくきたり、音が上昇していくときにいろいろな調をさまよって最後に主な調に帰ってくるというやり方は交響曲第5番でも使われている。中間部は主題の展開で、その後主題が帰ってくるまでの盛り上がりが素晴らしい。楽章の最後は速度を速めてさらにテンションの高い音楽のまま終わる。室内楽にしては分厚い音(ユニゾンがけっこう多い)や、スケールの大きな雰囲気を聴いていると、チャイコフスキーがこの編成(6人)を選んだ理由もわかるような気がする。

第2楽章は、ゆっくりと落ち着いた音楽。この楽章も素直に主な調でスタートしない。それだけに主題が出てくると安心した感じで始まるのだ。主題はピチカートの伴奏という薄い音の上で静かに演奏される。音の分厚い部分が多い曲だけにこの素朴さがかえって印象に残る。楽章全体を通じて本当に美しい音楽。主題が展開される中でいろいろな調を行ったり来たりする手法は見事だと思う。最後、遠くに消えていく感じで終わっていくところにいつもジーンと来てしまう。

第3楽章は、素朴な主題による音楽に挟まれて、中間に急速な音楽が出てくるという構成になっている。イタリアっぽさが全体的に出てきている感じがするのはこの楽章だと思う。とはいえ、途中に関連性の薄い調に行ってしまう(最後はちゃんと帰ってくるが)のは、やはりチャイコフスキー風のイタリアという感じだ。ちなみに、中間部の急速な音楽はアマチュアの演奏者にとってはかなりきつい。弓を跳ねさせて一弓で弾く(弓の方向を変えずに弾く)ようにしないとちゃんと弾けないので、ちょっと高度なテクニックが必要になる。そういう点でも、「イタリア奇想曲」と似たところがある。

第4楽章は、この曲のラストを飾るのにふさわしい音楽。最初に2つの素材を提示し、それが終わると幅広さを感じさせるメロディが出てきて、この中に「白鳥の湖」を彷彿とさせる部分がある(これはわかりやすい)。それから、最初に提示された素材がいろいろな形で展開されて出てくる(フーガなどもある)。それを抜けると幅広さを感じさせるメロディが再登場し、後はラストまで一気に演奏される(最後に出てくるメロディは「フィガロの結婚」の断片か?チャイコフスキーはモーツァルトの素材を使った作品も残しているし)。

この曲は編成としては室内楽だが、室内楽によくある張りつめた雰囲気(究極にまでそぎ落とした厳しい雰囲気)があまりなく、むしろ響きはオーケストラ的だ(同じ編成のブラームスの曲と比べるとその違いがわかりやすい)。その理由は、チャイコフスキーのパトロンであったメック夫人がコンサートに出かけられなくなってしまったために自宅でも聴くことのできるオーケストラ的な室内楽を聴けるようにと配慮したからであるらしい。この特有の響きのために、この曲はいろいろな編成で演奏されるようだ。弦楽合奏団はもちろんのこと、管楽器のアンサンブルでも演奏されることがある。もっとも、やはり一番いいと思えるのはオリジナルの編成なのだが。チャイコフスキーのオーケストラ曲が好きな方にはおすすめの一曲だと言えるだろう。

この曲はどの楽章も好きだが、特に第2楽章がお気に入りである。2年ほど前にとある室内合奏団で演奏をしたことがあるが、それまであまりちゃんと聴いたことがなかった。やっぱり私は食わず嫌いのようで、聴いて好きになる曲もあるが、やってみて初めてその曲の良さがわかっていくというケースも多い。この曲もその典型みたいなものだ。







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Last updated  Feb 11, 2008 08:54:33 AM
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