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眠れない夜のおつまみ

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2005/02/27
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テーマ:小説日記(233)
カテゴリ:LOVE
改札口から出て階段を上って地上に出る。
今日は土曜日だった事に改めて気づかされる。
人が溢れていた。
「観覧車乗りたいな。」
ポツリとミケが言った。
「案外かわいいこと好きなんだね。」
「あの、新しく出来たビルの・・・何て言うビルだっけ・・・観覧車がビルにくっ付いてるさ・・・。」
そこは3ヶ月前にオープンしたビルと観覧車が合体したオアシスの事だ、とサトミは思った。
「オアシス?」
「!!  そうそう!行ったことある?」
コウジとオープンしたての頃行ってみたものの長い行列を見てうんざりして帰ってしまった。
「ない。」
「行ってみない?」
「いいよ。」
行ってみるとそんなに待たずに乗れそうだった。
チケットを買って並ぶ。
ファーストフードの持ち込みがO.K.なのでコーラとポテトを買って並んだ。
サトミ達の順番になり足場以外スケルトンの観覧車に乗り込んだ。
乗り込むと、視界全体に街の夜景が飛び込んでくる。
ビルの明かり、車のヘッドライトの帯それはだんだん小さくなり宝石のようなきらめきとなって行く。
「きれいだね。」
思わずサトミがため息とともにこぼした。
「そうだね。」
知らず知らずのうちに同じ窓に顔を寄せ合っていた。
サトミはミケを意識して咄嗟に反対の席に座ってコーラを飲んだ。
ミケはそのまま窓を眺めていた。
サトミも美しい街の夜景を眺めるのに夢中になった。
もうすぐ頂上になろうとしている。
ミケはサトミを見つめていた。
一瞬の出来事だった。
ミケはサトミにキスをした。
サトミは突然の事にびっくりして目を大きく見開いたまま、ミケに抱きしめられていた。
「ごめん。今だけこうさせて。」
サトミはミケの言葉に何も言えないまま、身動きも出来なかった。
こうなる予感もしていた、とサトミもミケの背中をぎゅっと抱きしめた。

観覧車は1周し2人は無言で降りた。
サトミは頭の中で何故か歩数を数えていた。
この場の雰囲気が耐えられなかった。
134歩歩いたところで少し前を歩いていたミケがうつむきながら半分振り返って沈黙を破った。
「今日はありがとう。楽しかった。」
「私も楽しかった。」
今度は顔をちゃんと向けてミケが言う。
「今日会ってみてコウジと俺、どっちが良かった?」
初めてミケの口から今日コウジの名前が出てサトミはミケの視線を逸らしうつむいた。
「冗談だよ。彼氏がいなかったら、本気に好きになるのは残念ながら俺の方だ。」
とミケは苦笑いした。
「会えて良かった。もう帰ろう。」
と、言うとミケはサトミが帰るべき方向とは逆に向かって歩き出した。
サトミも背を向けて歩き出した。
切符を買うために並んでいると右方をグッと引き寄せられた。
息を軽く切らしたミケがいた。
「やっぱり、俺、このまま帰れない。」
サトミの心は揺れ動いていた。


                   <つづく>


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Last updated  2005/02/27 03:00:13 AM
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