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カテゴリ:本の話
中学の時にこの本があれば…。
中学校のころから数学は概ね苦手だった。なぜか図形の合同の証明と確率・統計は得意だったが、それ以外にはあまりいい思い出はない。高校で微積分に出会い「コイツラとは縁のない生活を送ろう」と決意して、文系・理系の選択では迷わず文系を選んだのだが、進学したのが経済・経営系の学部だったので数学(微積分、線形代数、統計学)が必須だった。 …ええ、微積分と線形代数は当然1回じゃクリアできずに再履でしたとも(涙) おなじみ清水ハカセ&サイバラの掛け合いで、理科・社会に続く算数版。文庫化を待って買いました。 理科・社会は楽しく読めたので、苦手な算数でも大丈夫だろうと思って買ったのですが…、 やっぱり大丈夫でした(笑) 何しろ、清水ハカセの文章に同意することだらけなのですから。 時速150kmで走っている120mの長さの列車と、時速80kmで走っている300mの長さの貨物列車がすれちがう。その、すれちがい始めから、すれちがい終りまでの時間はどれだけか。 思わずそう問う人間の肩をたたいて、こう言いたくなるではないか。 「それ、どうしても知りたいことか」 最初の章のこの言葉に何度うなずいたことか(苦笑) 思えばこの手の問題が中学2年1学期の中間テストに出て、破滅的な点数を取ってから数学嫌いになったんだった(泣笑) そんな自分でもこの「いやでもわかる算数」は楽しめました。使っているのは基本的には小学校~中学校初級程度の算数(数学)なので難易度はそれほどでもなく、気楽に読めました。 私は算数をおもしろがる子だったが、計算は面倒だと思う子だった。そのことが、高校に入って以後の私の数学の成績をガタガタにした遠因だと言っていいくらいのものだ。高校の数学って、計算力の勝負のようなところがあるからである。 ハイ。私も計算は大嫌いでした(涙) そういう清水ハカセが書いているから共感できる部分が多くて楽しめたのかも知れません。 実は私、今でこそ仲間内では飲み会などの割り勘の暗算が早くて重宝がられることもあるが(単位が「円」になると計算の速度が異様に速くなってしまうのだ、なぜか。我ながらあんまりいい性格とは思えない(苦笑))、実はこれもこの本のおかげのようなところもありまして。 「掛け算の価値、割り算の意味」の章に、「2から9までの数で1を割ったときの答えを覚えておくと便利」とあったので(言うなれば九九の逆ですかな)とりあえず覚えてみたところ、これが結構使えるんですわ。 そして何より、このシリーズの最大の魅力であるサイバラとハカセの破綻すれすれの掛け合いはやっぱり強烈。 サイバラが強烈な算数嫌いなので、挿絵で「ねえちょっと あと何回」「清水くん 撤退は恥ではないよ 今からでも 国語か何かにしきり直した方が。」などとしゃあしゃあと言ってのける。 算数嫌いの人でも、この掛け合いは間違いなく楽しめるはず。 これまでに、シリーズの「おもしろくても理科」「もっとおもしろくても理科」「どうころんでも社会科」「もっとどうころんでも社会科」も読みましたが(基本的にこのシリーズは文庫を待って読んでます。「国語」「飛びすぎる教室(総合学習)」は未読)、「社会科」が一番面白く感じた自分はやっぱり文系ですかね。もちろん「理科」「算数」も面白かったのですが、どちらかといえば「理科」「算数」は二人の掛け合いを楽しんだ部分が強かったので。 この本を取り上げたのは、「デイリーポータルZ」でこんなことをやってるのを見つけたからです。 …確かにふつうの兄弟は一定の速度で移動したりはしないわな(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005.07.06 00:44:18
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