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眠たがりの日記

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2005.08.02
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カテゴリ:本の話
 どこかで感じた読後感…。

 北村薫の久々の新作推理小説である。
 といっても、雑誌「ミステリーズ!」に掲載していた作品であるが。
 この雑誌、創刊号から数号は買っていたのだがいつの間にか買わなくなってしまっていた。ちょうど引越しの時期と重なってしまったこともあり、荷物を増やしたくなかったという理由もあったが。
 東京創元社がネット販売でサイン本を販売していたので申し込んでみたところ、ギリギリ間に合った。その本が先日自宅に送られてきたのだ。

 この作品、エラリー=クイーンの未発表原稿を北村薫が翻訳した、という形をとったパスティーシュである。翻訳小説に付き物の「注」まで各章ごとにご丁寧についている。
 翻訳物は苦手なんだけど…。幸いこの小説は舞台が日本なので、名前が覚えられないということはないが。

 クイーンが出版社の招待で来日した時に、多忙な日程の中である事件を解決するというのが簡単すぎるあらすじ。
 ミステリなので、ネタバレを避けるためにあらすじはこれだけにしておくとして読後感などをダラダラと以下に書いてみる。

 ストーリーの中で、クイーンの国名シリーズについての論を登場人物が延々とクイーンに向かって話し、それを受けてクイーンが答えるシーンがあるが、そのシーンを読み終えたときの感覚、どこかで感じたような気が…。

 ………。
 あれだ。
 同じ北村薫の「六の宮の姫君」を読んだときの置いてきぼり感。
 「六の宮~」に出てくる芥川や菊池寛を読んでいないせいで、読んでいて「???」となったあの感覚。


 そう。
 自分はエラリー=クイーンの「国名シリーズ」を一冊も読んだことがないのだ。
 この「ニッポン硬貨」を先に読んでしまうと「国名シリーズ」のネタバレになる部分もあった。
 なので、「国名シリーズ」を読んだことがある方ならこの部分は楽しめるかも。
 私は無理でした(苦笑)
 でも、「国名シリーズ」をこれから読む機会あるかなぁ…。
 もう老後の楽しみにするしかないのかも(笑)

 なお、この作品は若竹七海の「五十円玉二十枚の謎」に対する北村薫の答えでもあるが、う~ん…。
 「そいつ」には「そいつ」なりの論理があるんだろうけど、やっぱり現実から遊離してる気が。
 もっとも、「五十円玉~」の文庫本も読んだが、それほど腑に落ちる回答はなかったし。
 いつだったか、東京創元社のホームページに載っていた一般からの回答が一番ストンと納得できたのを覚えている。
 (ネットで調べたら、2002年夏の「創元推理」に掲載されたそうだ。図書館行き決定。)

 それはそうと北村先生、「円紫師匠と『私』シリーズ」の続きを書いて下さい。お願いします。

(注:「五十円玉二十枚の謎」について)
 ご存知でない方のために簡単(?)に説明を。
 推理作家の若竹七海が学生時代にアルバイトをしていた書店での実体験から生まれた謎。概要は次のとおり。

 毎週土曜日の夕方に、50円玉20枚を持って「千円札と両替してください」と両替を頼む中年の男がやってくる。

 一言で言うと大したことはなさそうだが、この男に関する疑問点を若竹氏自身は下記の2点に整理している。

 「何故彼の手元にはそんなに多くの50円玉が集まるのか?」
 「しかも何故それを毎週土曜日の夕方に、本屋で1000円札に両替するのか?」


 普通、買い物をしてお釣りを貰う場合、そのお釣りの中に50円玉は1枚しか入らない。
 あまり手に入ることが少ない50円玉を、何故彼は20枚も持っているのかがまず分からない。
 彼が「50円玉を集めている」、もしくは「50円の品物を売っている」とすると、今度は1000円札に両替する理由がなくなってしまう(後者については釣銭用の50円玉が必要になるので)。
 しかも「何故毎週土曜日の夕方に本屋で?」という日時・場所指定までかかっている。
 一見簡単そうだが、ディテールがはっきりしている分難しく、プロの作家ですら快刀乱麻の答えを出すことができなかった(下の本を読んでみてください。苦労の跡がしのばれます)。
 「事実は小説より奇なり」とはまさにこのこと。

 …実際に下の本を買って読むか、「五十円玉二十枚」をキーワードにして検索した方が早いですね(苦笑)
 自分も考えてみたことがありますが、何も思いつきませんでした(涙)



ニッポン硬貨の謎

競作五十円玉二十枚の謎





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最終更新日  2005.08.02 23:58:37
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