カテゴリ:ひつじ
「あなた方は羊を、殺して肉を食すよりも毛を刈り取る対象として考えるべきである」
これはローマ帝国第2代皇帝・ティベリウスが語った言葉だとされている。 羊は当時の属州民を指す。国家の財政が苦しくなったこの時代、元老院が属州の税金を上げてその埋め合わせをしようとしたことに対し、ティベリウスが言ったのだ。 日本でも、徳川時代に「生きぬよう、死なぬよう」という言葉があったことを思い出す。 どの時代でも、被支配者を追い込むところまで収奪することで、組織の懐が短期的にプラスになっても、最終的には全体のバランスが崩れ、国家や組織は滅びてしまうことが多い。 ひどい言い方だが、吸い取る相手である国民や労働者(羊)は、殺さない程度に収奪していく方策を考え、気づかれずにうまく吸い上げていくのが、上にたつ者の頭の使いようなのだと思う。 時代が変わっても優秀な為政者や経営者の「考えるエッセンス」はあまりかわりがない、そんな風に感じる。 羊たちにやることが見透かされるような為政者や経営者というのは、底が浅いのだと思う。 国家の戦略や為政者・経営者の手の内が見えるような社会は、それだけ「羊」の反乱を招きやすいし、権力や組織構造の転覆も起こり易い。 それだけに「野心のある羊」「考える羊」にとってはのし上がるチャンスだと言えなくもないのだが・・・。 今、私が暮らしている社会は、なんだかそんな時代のような気がする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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