カテゴリ:読書録
昨晩突然酒が呑みたくなって、深夜0時過ぎから本格的にワインをあけてしまった。美味くて、思わずかなり酒が進んでしまった(結局ハーフボトルくらい)。
冷蔵庫をあけて適当に出したつまみとワイン。 左は小豆島の生オリーブ。日本で唯一オリーブを生産していると言われているところのもので、塩蔵していない。味もフレッシュなので、毎年秋冬に発売されるときに、かなりの量を買い込むことにしている。 その隣のお皿はレバーのパテ(軽井沢の腸詰屋で購入)とオランダのハードタイプのチーズ(山羊乳)。葉っぱは台所で育てているバジルをもいだ。レバーパテはディップにしたかったので、グリルで軽く焼いたピーマンとパプリカで代用した。 それをいただきながら、『ロックフェラー回顧録』を読みふけっていた。 御年93歳になろうかという、ロックフェラー家3代目の末っ子、D・ロックフェラーの自叙伝である。70年代にチェース・マンハッタン銀行のトップになった、かの人物である。この本はハードカバーで650ページ以上もあるため、家で毎日1章を目安に、ちょこちょこと読み進めている。他の本と並行して読んでいるので、後戻りしては読み返すこともしばしばだ。 そんな楽しみ方をしているのだが、ふと、この部分に目が止まった。1988年、ロックフェラー自身が北京でトウ小平に会ったときの一文である(トウの字が機種異存文字で出ないのでカタカナで表示)。 「トウ小平は自分の世界観について、噛み締めるように語った。二十一世紀は“アジアの世紀”となり、ラテンアメリカも徐々に勢力を伸ばし始めるという。またアフリカが世界の指導者になるときだとさえ考えていた。中国が当分は西洋のテクノロジーと資本に頼ることになるという観測の一方で、欧米列強国が衰退するという見解もそれとなく示した」 (第18章「竹のカーテンを越えて中国へ」・338頁より) 「黒い猫も白い猫も、ネズミを取る猫は良い猫だ」という「黒猫白猫」論を展開し、中国の市場開放への先鞭をつけたトウ小平。この発言はいかにも彼らしい視点だと思う。 最近言われている「デカップリング論」。サブプライム問題でアメリカがコケ、先進国の経済成長が鈍化しようとも、BRICsを始めとする新興国の新しいパワーが、それを補うというかの論調である。 もしその「デカップリング」が起こるのならば、20年近くも前にトウ小平はそれを予見していた(あるいはその仕組み作りをしようとしていた)ということになる。 このトウ小平の発言について、当時D・ロックフェラーがどういう風に感じたのかは、言及されていないのでわからないが、非常に興味深いなと思った。 『ロックフェラー回顧録』は現在全体の半分ちょっとを読み終えたところで、気になって付箋を貼った箇所は7カ所。読了時に自分がいくつ、どの部分に付箋を張るか、今からとても楽しみである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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