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カテゴリ:上陽賦~運命の王妃~全68話
上阳赋 The Rebel Princess 第67話「反逆」 王藺(オウリン)の護衛・青雲(セイウン)は桂(ケイ)女官に馬静(バセイ)を会わせ、孫と引き換えに宮殿の門を開けるよう頼んだ。 伝言を聞いた皇太后は兄の生存に度肝を抜かれながらも、今になって王氏の兄妹が手を取り、天下を取る日が来たと感慨深い。 一方、宋懐恩(ソウカイオン)は秋風(シュウフウ)荘に王藺を訪ねた。 すると部屋に黄金の礼服が飾られている。 王藺は馬静のものだと言ったが、懐恩は思わず失笑した。 「ご冗談を…」 「粛毅(シュクキ)伯の考えはどうだ?…お前は私の養子になり王氏の族譜に入りたいか? それとも姓を変えず、粛毅伯がよいか?」 「…丞相に従います」 「そうか、では明日のために万全の準備を…」 王藺は懐恩を帰すと王安(オウアン)を呼んだ。 明日はいよいよ王朝が交代する日、馬氏の人間を残しておくわけにいかないが、面倒を見て来た馬静に情が湧いてしまったという。 「…代わりにやってくれ」 その話を偶然、王夙(オウシュク)が聞いていた。 夫の異変に不安を感じていた蕭玉岫(ショウギョクシュウ)は宋懐恩が軍営に行くと知って慌てて駆けつけた。 しかし必死に引き止める妻を振り払い、懐恩は出かけてしまう。 そこで玉岫は王儇(オウケン)に夫が夜中に出発したと知らせた。 「…宋懐恩、正体を現したわね」 一方、王安は馬静を抱いて裏山へやって来た。 すると後をつけた王夙は棒で王安を殴りつけて気絶させ、馬静を連れて行ってしまう。 明け方、龐癸(ホウキ)が豫章王府に戻ってきた。 「宋懐恩が軍を率いて皇都に向かっています!」 王儇は魏(ギ)将軍に兵を集めるよう伝言を託し、胡瑶(コヨウ)を連れて参内すると決める。 一方、行方不明となった馬静は未だ消息が分からなかった。 すでに動き出した計画、今さら後戻りはできず、王藺は馬静を捜索しながら予定通り進めるという。 そこで青雲に王氏が有する兵を全て集めて命令を待つよう告げた。 また王安には江夏王の名代として朝廷に出向き、大臣たちを呼んで来るよう命じる。 「ここへですか?」 「そうだ」 玉岫は安らかに眠っている幼子の小さな手に自分の腕輪をはめた。 後ろ髪を引かれる思いで部屋を後にする玉岫、その頃、宮殿に入った王儇は永安宮へと急ぐ。 まさか父が生きているとも知らず、王儇は叔母が兄と手を組んで宋懐恩に馬子澹(バシタン)の退位を迫るよう命じたと疑った。 「静児を皇位に就かせ、一緒に摂政になるつもり?」 「子澹は人心を失った、皇帝の資格はない」 「大臣たちが静児を擁立するとでも?」 朽ちた屋敷に呼び集められた温宗慎(オンシュウシン)ら大臣は何が始まるのか分からず困惑していた。 すると死んだはずの王藺が現れる。 ザワザワ(。・ω・) (・ω・ 。) (。・ω・) (・ω・ 。)ザワザワ 大臣たちが騒然とする中、温宗慎は思わず失笑した。 しぶとく生きていただけでなく、まさかこの国を手中に収めるつもりなのか。 そこで王藺は先帝が崩御前に遺したという密詔を渡した。 …余はもう長く生きられず国の変化が心配だ、従って王藺に大任を担うよう命じる… 確かに密詔には玉璽が押されていた。 納得がいかない大臣たちは引き上げることにしたが、王氏の兵が現れ包囲されてしまう。 「粛毅伯と大軍は現在、宮殿に向かっています」 青雲の報告を聞いた大臣たちは皇都の守衛軍も王藺の手中にあると知り観念、次々と王藺に降った。 温丞相と衛(エイ)侯だけは王藺に反発、城楼で魏将軍らと共に宋懐恩の大軍を待ち受けた。 ついに廣陽門に到着した懐恩、しかし皇太后と内通しているはずが門は開かない。 その頃、蕭綦(ショウキ)はすでに寧朔軍と郊外にいた。 「胡瑶から密書が届いたら宣化門から皇都に入れ、外の敵軍を任せる 残りは抜け道から宮殿に向かう」 皇太后は待ちに待った孫との再会を前に着替えることにした。 しかし王儇がすでに手を回し、門を開けようとした永安宮の侍女と内侍が魏将軍の配下に捕まったとは知る由もない。 報告を聞いた温宗慎は皇太后と王藺が手を結んだと知り、今日こそ決着をつけると奮起した。 城楼の不穏な様子を察した懐恩はついに攻城準備の号令を出し、城門の魏将軍たちと対峙する。 その時、角楼に登った玉岫の叫び声が響き渡った。 「懐恩っ!」 玉岫は角楼から声を張り上げ、反逆する夫を必死に諌めた。 「粛毅伯では満足できず、朝廷や大王、王妃を裏切るつもり?! …私たちが命を懸けてこの地まで来たのは天下太平のためでしょう?! 守ってきたものを自分の手で壊すというの?! …お願いよ!引き返して!撤退するなら王妃から陛下に免罪を頼んでもらうから! 許されなくても私は地獄のそこまであなたについて行くわ! 私にはあなたが必要なの…一緒に帰りましょう!」 しかし必死の説得も虚しく、懐恩の放った矢が玉岫をかすめて柱に突き刺さった。 「帰る場所などない…玉岫!帰るのだーっ!」 「…引き返さないならあなたの前で死にます!」 玉岫は夫を戒めるため、角楼から飛び降り命を絶った。 しかし我が身を犠牲にしても夫を止めることは叶わず、懐恩はついに反乱を起こす。 魏将軍は温丞相と衛侯を避難させ応戦、すると戦況を見ていた懐恩は密かに引き返した。 王儇は子澹を逃すため式乾殿に駆けつけた。 しかし子澹はすでに包囲された宮殿から逃げられないと覚悟する。 そこで王儇はかつて叔父に教えてもらった密道から子澹を逃すことにしたが、隠し扉を開けると地下から兵士の声が聞こえてきた。 「誰かいるわ!」 龐癸と胡瑶は王儇と皇帝を先に逃し、禁衛軍と共に式乾殿に残った。 すると地下道から兵を率いた懐恩が現れる。 式乾殿は戦場と化し、胡瑶は反逆者となった懐恩に斬り掛かった。 懐恩は手を引くよう訴えたが、結局、妹同然の胡瑶まで手に掛けてしまう。 一方、礼服に着替えた皇太后は寝殿を出た。 しかし回廊に出たところで力尽き、そのまま愛しい息子の元へ旅立ってしまう。 王儇と子澹は太極殿に逃げた。 子澹は蕭綦が叩き割った玉座の角に触れ、今日が皇帝でいられる最後の日かもしれないと腹をくくるが…。 つづく ( ;∀;)哥哥〜信じていたわ〜! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.04.28 21:37:13
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