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テーマ:映画館に行こう!!(371)
カテゴリ:映画レビュー(☆☆☆★★)
ごく普通の、平和な夫婦のもとに届いた謎のボタン。押せば、自分達の知らない誰かが死ぬかわりに、100万ドルが手に入るという。 生活苦と良心の間で揺れ動く夫婦。次第に二人は、予想だにしない奇妙な事態に巻き込まれていく。 学生の頃、星新一氏や筒井康隆氏のショートショートを随分読んだので、個人的にこの手のシチュエーションものは大好きである。 胡散臭さ爆発のボタン一つで、映画一本分の物語を構築するアイディアは素晴らしく、因果応報的な、ある意味ブラックユーモアとも取れるオトシ方も、決して悪くない。 また、ボタンを送りつけてきた「顔の左半分がない男」の不気味な存在感もさることながら、謎が謎を呼ぶサスペンスの要素も非常によく出来ており、想像していた以上に見応えのある作品だった。 しかし、それら一つ一つのパーツは良いものの、最大のネックとなったのは意外にも1時間55分という上映時間。最初にショートショートという例を出したように、この手の話しは必要最小限の情報とカタルシスを用意し、長くても一時間半以内でスパッと終わらせるのが理想であると断じる。 思うに、ボタンを管理しているあの組織を、もう少し謎のベールに包んだままにした方がよかったのではないだろうか。あまりに大風呂敷を広げすぎたためか、途中随分と間延びする場面も多く、同時に組織そのものの奥行きの見えない不気味さや、人知を超えるであろうその力に対する恐怖が薄れてしまった観がある。 せめて、組織の中心が宇宙人なのか異次元人なのか、はたまた国家権力なのか、フリーメイソンなのか、アルカイダなのか、ナチス残党なのか、創価学会なのかギリギリまで引っ張り、最後の最後にチラッと匂わせる程度にまとめた方がよかった気がする。なんとも惜しい。 ただの(?)宇宙飛行士志望の夫が、突然名探偵気取りで嗅ぎ回りだすのも「なんでやん」なら、妙に哲学じみた訳の分からなさ加減も正直「なんじゃそら」。どうでもいい事だが、個人的にあの腐った黒田勇樹みたいな顔した学生のピースサインに、軽くイラッと来てしまった。 モノ自体は非常によいものの、もっとミニマムに、もっと分かりやすくまとめてくれれば、評価も違ってきたろうに。実にもったいない。モタイナーイ!! 余談だが、本作と同じシチュエーションでコメディを撮ったら面白くなるかもしれない。せっかくキャメロン・ディアスが主演しているので、夫役には「マスク」で競演したジム・キャリーで。 久々にジムの変顔百面相が見たいのもあるし、キャメロンと一緒に同じ顔芸なんてしたら爆笑必至だと思うのだが、いかがだろうか。 決して面白くないとは言わないが、DVD待ちでも充分な内容かと。もしくは、サービスデイかレイトショーなら観て損はないかも。まあ、そういう感じで。 小生の、この映画に対する評価は…、 ☆☆☆★★ ダンナの乗ってる車がムダにイカすので、ちょっとオマケ(笑)。星3つ!! 運命のボタン 私の中のあなた【Blu-rayDisc Video】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
May 19, 2010 09:46:09 PM
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