米利上げ打ち止め観測の高まり
31日の東京市場から欧州市場にかけてドル円は売り優勢の展開。7月19日に117円90銭付近まで上昇した後はドル売り・円買い基調が継続している。この基調を形成している中身は、米利上げ売り止め観測の高まり、中東情勢不安の緩和、人民元切り上げ圧力の強まりに分解できる。米利上げ売り止め観測の高まりに関しては、今週末に発表される米雇用統計を中心に米金融当局者の発言に注意を向けていかなければならない。人民元問題についてはポールソン米財務長官の発言が手がかりになるだろう。そして、管理人が足元の基調を左右するだろうと注目しているのは、イスラエル・ヒズボラ戦争の顛末である。上述したような基調を形作る材料の中で、この戦争に最も注目すべきという分析は数少ないだろう。しかし、米国を中心として国際社会がこの問題の落としどころを間違えば、世界的なリスク要因が強まる可能性が高い。足元の基調の中に「有事のドル買い」が含まれていることを勘案すると、今回の戦争は日米の金利差を上回るメインストリームを生み出す可能性がある。