日本モーツァルト協会2014年2月例会(第556回)
《フィガロの結婚》
セミ・ステージ形式
字幕付き 原語上演
2014年2月23日(日)
東京文化会館小ホール
須藤慎吾(バリトン) … アルマヴィーヴァ伯爵
西 正子(ソプラノ) … 伯爵夫人
大川 博(バリトン) … フィガロ
山口佳子(ソプラノ) … スザンナ
向野由美子(メゾソプラノ) … ケルビーノ
小林由佳(メゾソプラノ) … マルチェリーナ
狩野賢一(バスバリトン) … バルトロ/アントニオ
小山陽二郎(テノール) … バジリオ/クルツィオ
岩水美稚子(ソプラノ) … バルバリーナ
京島麗香(ソプラノ)…花娘1
鎌田雅子(メゾソプラノ)…花娘2
田村ルリ … ピアノ
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隣の大ホールでは東京二期会のドン・カルロ。
小ホールでは藤原歌劇団と二期会の第一線で活躍する歌手が集う豪華なフィガロの結婚。
いや~すごい時代ですね。
休憩中に大ホール側の出口にいたら、第3幕の夜の庭園のシーン、エボリ役の清水華澄さんの声が、フツーにがんがん聴こえてきて、どんだけすごいんじゃ~と感動してしまいました。トリノのトスカを文化会館の入り口で聴いていた時もこんだけクリアーには声は聴こえなかった。どんだけすごいんじゃ清水華澄さん
(((( ;゚Д゚))
きょうフィガロの結婚に出演する歌手たちは、昨年のサントリーホールブルーローズでのリゴレットに出演した歌手たちとかぶっています。皆すばらしいのですが、その時マルッロを歌っていた大川博さんが今回フィガロ。主役じゃん!ということでなかなか大川さんの声を聴けるチャンスがなかったのでどうしても聴きたくなりました。
コンテは今や日本を代表するバリトンの須藤慎吾さん。スザンナがすばらしい山口佳子さん。バジリオがすばらしいテノールの小山陽二郎さん、バルトロが世界一美声のバスバリトン狩野賢一さん。
いや~すばらしかったです。
これだけの実力派の歌手をまじかでがっつり聴けるなんてこんな幸せなことはありません。至福の3時間でした。
最初のシーンから登場のフィガロ、やはりすばらしい声です!
艶があって深くて豊かで温かい。
理想のバリトンってこれでしょ!?という声です。
フィガロの後半のアリアは難しいアリアですがすごくよかったです。
スザンナの山口さんは演技も抜群。声も表現力もすばらしい。
しかもおきゃんなスザンナにぴったりで、可愛らしく魅力的で色気があります。
後半のスザンナのアリア、ゆっくり感情をこめて美しく歌いました。すばらしい!
須藤慎吾さんのコンテはすごかったです。瞠目のパワー、舞台上の存在感も圧倒的でした。
主役オーラをがんがん出していました。
リゴレット、マオメット2世に続き、コンテ、生でお聞きするのは3回目でしょうか、
いつもまったく違う人格になっているのに驚かされます。
ほんとにすごい人です!
コンテの見せ場
「もう訴訟に勝っただと?」
いや~すごかったです。
カルロス・アルヴァレスかと思ったぐらい。
ド迫力でした。
ブラヴォーが飛びました。
小山陽二郎さんは生でお聴きするのは初めてだと思いますが、やはり堂に入ったものです。コミカルな演技も抜群で、バジリオに徹していました。
狩野賢一さんは2役で早替わりあって大変。バルトロのアリアはものすごく怒りまくって歌っててマルチェリーナになだめられ、すごくおもしろかったです。
彼の声はバスバリなのにすごく透明感があって美しいのです。アンサンブルで絶大な効果を発揮します。
最後のシーンのアンサンブルがものすごく良かったです。
マルチェリーナの小林由佳さん、すばらしい声でした。パワーがあって美しい。
ケルビーノの向野由美子さんもすばらしい!「恋とはどんなものかしら」圧巻の歌唱でした。
バルバリーナ岩水美稚子さんのアリアもすばらしかった。
進行はレチタティーボをだいぶ省いてさくさく進行させていました。
これだけの歌手が揃っているのだから、普段あまり歌われないバジリオのアリアもマルチェッリーナのアリアもやってほしかったです。
お疲れさまでした。