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カテゴリ:映画紀行
ザルツブルグの旧市街からホーエンザルツブルグ城までを一望するメンヒスベルクの丘。2003年10月、遅らせばせながら訪れたザルツブルグの景色は、私の心に深く刻まれ、ヨーロッパ駐在中の最後の最後で再び、私の足を向かわせる。そして、ザルツブルクの見納めとして、再びメンヒスベルクの丘を訪れる。 (2度目のメンヒスベルク。上左写真:メンヒスベルクからザルツァッハ川を挟んで、左にミラベル宮殿、右に三位一体教会。上右写真:同、ホーエンザルツブルグ城を背後に旧市街、左から大聖堂、サンクト・ペーター教会、祝祭劇場と並ぶ。) それは、2004年1月半ば、ヨーロッパ駐在中、最後の旅行となるのだが、この中でザルツブルグを訪れる。いわば、ヨーロッパ駐在2年の集大成の旅として、組み立てた旅程は凄まじい。週末の4連休、仕事を終えると、夜、そのまま、パリ北駅からユーロスターでロンドン・ウォータールー駅へ向かう。ロンドンに2泊した後、ドイツのミュンヘンに飛びここに2泊する。ザルツブルグを日帰りで訪れるのは、ミュンヘン滞在2日目、1月12日のことである。 前年10月訪れた時のザルツブルグは、一面、真っ白の雪景色だったが、この時のザルツブルグは、日陰に僅かに残雪を見るほどだった。天気も良く、到着して真っ先に、映画のオープニングでマリアが歌う、ウンタースベルク山に向かったが、このことは以前にも書いた(こちら)。 この日、最後の見納めとして訪れたザルツブルグ滞在は、わずか5時間弱。「サウンド・オブ・ミュージック」のハイライトをタクシーで巡る。ウンタースベルク山は、ザルツブルグ中央駅からタクシーで約30分。そのロープウェイ山麓駅で一旦、タクシーを降りるが、それから約1時間、下山した後で、運転手に貰っていた携帯番号に電話をかけると、再び同じタクシーに乗り込む。 その後、アニフ城を経て、前年ツアーで訪れた庭園パビリオンを再び訪れると、さらに、ノンベルク尼僧院、レオポルツクロン宮殿、サンクト・ペーター教会(下左写真:後方にホーエンザルツブルグ城、左に運転手さん)、と映画のハイライトを巡った。最後は、運転手のお薦めで、サンクト・ペータ教会近くの歴史あるパン屋さん、西暦803年創業という最古のレストラン、と案内してもらい、そしてモーツアルト生家(下右写真)の前まで運んでもらったところで、別れを告げる。これら全ての出来事が、ウンタースベルク山を発ってから約1時間半に収まっているので、いかに効率的だったかが分かる。
やがて夕暮れともなるが、ミュンヘン行きの電車が発車するまでの約2時間弱、旧市街のメインストリート、ゲトライデガッセ(上中写真)を散策し、カフェで休み、最後のヨーロッパの休日のひとときを名残惜しくも、心に刻んだ。そして、再び、メンヒスベルクの丘にエレベータで登った。 10月訪れた時には、メンヒスベルクの丘から夕暮れのザルツブルグを見ることはなかったのだが、冬の夕暮れの景色は、空気が澄んでクッキリとしていて、また美しい。この日の夕方、ここに立つ観光客は皆無だった。1月なので、やはり寒いのだが、エレベータの営業時間を気にしつつも、暫し丘の上に佇み、この贅沢な景色を一人、独占していた。(一番上の写真) この時、もう訪れることはないだろうザルツブルグ、そして「サウンド・オブ・ミュージック」の景色を、目に焼き付けていた私であった。ヨーロッパ駐在、最後の見納めの地として、この景色を臨めば、もう思い残すことはなかった。そんな気持ちになっていたことと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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