『夜桜の証言』〈89〉第12章・エピローグ・診察室
「どうして、志学館のジャージなんかを…」 美雪が首をかしげた。「畑田校長は、志学館大学の体育学科卒業だったんだ。だから、人体のしくみもよくわかっていた。そして、保健体育の教諭として、千商校に入った。中田女史の言うとおり、あの学校は志学館卒の教員が多い。学校要覧を調べたら、畑田もそうだった…かつて自分をないがしろにした、天狗抜の住民より偉くなりたい一心で、校長までのし上がったんだ。ただ、人望は得られなかったから、出世するには、金をばらまくしかなかった。それも自分の金ではないものをな」「だったら…、大学時代のジャージを着て犯行に及んだら、だれがやったか、わかりそうなものだわ」「僕は、こう思うんだけどね」 深海が語り出した。「ずっと、天狗抜の中で誰からも相手にされなかった畑田にとって、スポーツの成績が認められて入る志学館大学にいた時代が 一番輝かしい時だったんだよ。ロバート・レスラー(元、FBI心理分析官)のプロファイリングの本にも、似たようなケースがあったしね。…もちろん、大学でも、さほど友人はできなかったろうが、柔道の国体では優勝続きで、賞状もいっぱいもらったろう。ちょっとした2枚目の面影を残してるから、女の人にもモテた。その証拠に、奥さんは同じ志学館卒の人だしね」「そして…緊張を強いられる殺人の瞬間に、そのジャージを着ていると、気持ちがほぐれてうまくいきそうな気がする、って事かしら?」「そう、藤原さん、ご明察!ただなぜ、連続殺人となったのかが僕にはわからないんだが」「まだ自供はしていないが、動機はいたって単純だ」 刑事が言った。「最初の殺人が起こったとき、私は、中田女史から図書室で話を聞いていた。そのとき、教頭の赤札が入ってきて、こういった。『加藤先生がゆうべ泊まり込んでいたことを、校長に話して、厳重注意してもらう』と…」「そして、校長は犯行当時、自分のほかにも学校にいた者がいることを知ったわけだ」「そうだ。だから、加藤さんが校長がいたことを知っていたかどうかはわからないが、とにかく消しておこうと考えた。もし勘づかれでもしたら困るからな。酔っぱらって、学校に泊まり込もうとした彼をまた、同じ手口で桜の木の上で待ち伏せ、背後に降りて後ろから襲いかかり、首をへし折った」<つづく>☆こちらの小説は、2006年にBlogで連載していたものです。☆人気ブログランキングに参加しています。トップページのバナーをクリックして下さると嬉しいです。ランキング参加中です。励みになります、ポッチをお願いします人気ブログランキングへおかげさまで、20位以内です。みなさまありがとうございます☆連載ミステリー『夜桜の証言』は、無料メルマガ『まぐまぐ!』 でも配信中です。登録はこちらから:『Kazeのミステリ通信』☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 今日は、非常に冷え込む1日でした。 昨年の日記を見ると、外でバラの剪定をして、庭を少し片付けて、ホースリールなどを準備してから、シャワーを浴びていたのですが・・・ まだシャワーを浴びるような気温じゃないですね。 お風呂疲れる(^^;;; ただ、去年の今頃は、震災後1ヶ月弱が経っていて少し落ち着いたころに、強い余震に見舞われていました。 それで停電になって、またひと晩ラジオのお世話に・・・という状況でしたね。 緊急地震速報が出て即、震度5強くらいだったかな? その時、2階の部屋にいた母が『頭にくるわもう!!』と、怒りながらラジオを持って降りてきたのを憶えています。 2階のほうが揺れが強いので、しつこい余震には腹が立ちますよね。 このころ、単一乾電池がなかなか手に入らず、やっと6個だけ買えた備蓄用の電池を大事に取っておいていました。 今日、灯油ポンプ用に使いました。電池も使わないとダメになりますもんね。 ミニトマトの定番、ミニキャロルの種が届きました。 種まきは、もうしばらくあとです。 桜の花が咲くころがちょうどいいようです。理想の土おためしキャンペーン中☆【送料無料】1,000円ポッキリ!ゴールデン粒状培養土 10L×2...価格:1,000円(税込、送料込)