連載ミステリー「貸室あり」9章 最終回/ミニ文具、これは何??
その様子を見た雲隠老人が、「おお、すまん、すまん。年寄りの愚痴をきかせでまった。昔のことは昔のこと。淋しい生活にはなったが、それでも今を精一杯生きるほかねしな」 と優しい声で言った。 美雪は老人を思いやって言った。「…藪中荘を、そして土地を大事に思う気持ちはわかるわ。あたし、あそこは…最初行った時から、どうも無人な気がしなかったの。中にいた間、ずっと、人の気配がして。きっと、ひとりでも淋しくないと思います」「そうか、そうか。あんたは、いいお嬢さんだ…まんで孫みてだ」「いえ、そんな」 美雪は少しずつ眠くなってきた。 さっきの電話を終えた後は、怒りで興奮していた。 が、雲隠老人から思いがけなくもらった100万と、住むところもでき安心したのだ。(なんだか眠い。やっぱり、あたしも現金な女だわ…もう、ほんとに眠い。眠くて仕方がない) 自分で思い、おかしくなった。 そして、昼食後に飲んだ精神安定剤も効いてきた。「もう疲れたべ。長居してわりかった。横になってけ。俺は勝手に行くから」 美雪は老人に言われるままベットに横になった。 猛烈な眠気が襲い、美雪は知らないうちに眠りに落ちた。 老人は椅子をたち、大きな窓の外の吹雪を眺めた。「俺の目の黒いうちは、あの土地を手放すわけにはいがねんだ」 そして、美雪が規則正しい寝息をたてはじめたのを確かめてから、呟いた。「何せあの土地には、呑田が埋まっでらもんでな…」 老人の声を聞いたのは、外の世界を舞い狂う彼岸じゃらくだけだった。<おわり>----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- フリーページの小説、『貸室あり』の再upにお付き合いいただき、ありがとうございました ブログ本文に載せるにあたって、省略したところもありました。 もし、興味をお持ちの方は、フリーページも読んでくださると嬉しいです。 また、一度読んでいただいていた皆様には、またのお付き合い、ありがとうございます いま、創作系のサーチエンジンの「推理・ミステリー」のカテゴリーにサイトを登録させてもらえたため、次回からは『夜桜の証言』を再upする予定です。 これは『貸室あり』の続きで、去年の春にフリーページで発表していました。 ま・た・かと自分でツッコミを入れているところですが、upしたときはさらーーーーっっと読み流して下さると喜んじゃいます さて、今日は通販の品物が届き、おまけにミニ文具セットがついてきました。 はさみ、パンチ、ホッチキスが入っています。 このセットをもらったのは、学校の制服を作ったとき以来です。 あまり使わないのですが、可愛いからもらうと嬉しい ただ、よくわからないのは・・・ コレです。 いったい、何に使うのかな~テープカッター<WiLL STATIONERY ACTIC>20070222宣言2コレもテープカッター。可愛い