・エンマは典型的な「怠け病」というか「贅沢病」に思う。
ボヴァリー医師への苛立ちなど、自分が働いていないことで、恵まれた環境に対する有難みが分からないことから来ていると思われる。
女中や、農民、乳母の生活を考えた事はあるのだろうか?
・エンマの「不調」の原因について、ボヴァリー医師の母親(エンマの姑)が言ったことが的を得ている。
せっかく女中を雇い、子育てや家事もやらなくていい恵まれた立場なのだから、男性と同じように働くべき。
経理や秘書、学校教師や家庭教師、音楽教師などでいい。
・19世紀フランスの求人の数が女性の職業人を求める程無かったであろうことも原因か。あっても女中とか乳母・よくて旅館や料理屋の女将
・「共進会」で表彰された、勤続54年の貧しい農民の老女の描写が出てきたが、エンマに対する当てこすりにすら感じた。
・修道院の存在価値を感じない。読み書きだけでなく、正常な経済観念を教えたり、お金をかけずに幸福に過ごす方法の伝授、職業教育(修道院に入るような子供は恐らく中流以上の家庭出身だろうからホワイトカラーの職業知識)を施すのでなければ意味が無い。エンマを見ているとそう思う。