テーマ:アカデミー賞(129)
カテゴリ:オトコマエ
映画『おくりびと』地上波公開、なんとノーカット放送。 いいのか? 観たがな、そら。 あとでDVDで見直そうと思って気付く。これも宣伝効果だな。 アカデミー賞は伊達でなく、努めてコンパクトに描かれた無駄の無い劇の流れに、邦画もまだ終わらんよ、と嬉しくなった。 筆者、何を隠そう葬儀屋さんで働かせていただいたことがある。 山崎努氏の風格漂う納棺場面を見ていて、図らずもかつての上司の人柄を思い出したわけだ。 その中規模、と考えられる組織の中、ある時、エライひとからこっそり聞かされた。 厳かな声。折り目正しく気働きの行き届く仕事。 そのクレームのない男曰く、どんなに場数をこなしても、納棺時の緊張感は幾度繰り返しても同じ。生者である自身は、汗が滴るものだという。その「緊張感」とは、「死体を触っている気持ち悪さ」などではない。「ご遺体」という神聖なものに作業を施すという緊張感である。 死して人は神仏と変ずるこの国で、折り目正しく美しく、細心の注意を払い、恭しくも最期の旅装を整え、送り出す遺族には生前とかわらず言葉を交わせるよう。 人が最も尊ばれるのが、この旅立ちの時であればこそ思う。この国の未来は未だある。 おくりびと 国外で評価を受けるその訳は、国家あるいは地域固有の風習を如何に崇高なものであるか、示したという証なのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.09.22 01:23:19
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