にあんちやんシリーズもいよいよ後半を向かえ悲劇てきな内容になってきました。
末子9歳になってからの日記の続きです。 どうぞ、一話からお読みになっていただければ幸いです。
ねえさんが うられた 10月23日 金曜日 晴れ
きょう、私の家に手紙と、ハガキが38まいもきました。
なんの手紙かというと、ねえさんに奉公しにきてくれという手紙なのです。
私たちは、早くから、この家をあけなければいけないのです。けれど、どこにも行く場所がないから、ねえさんも、すみこみではたらくことになつたのです。
それで、兄さんが、新聞社に
奉公・・満16歳・女・・
という広告をだしたら、昨日の朝にのつたのです。
それを見て、38枚もの手紙がきたのです。
けれど、姉さんの行くところはもうきまっていました。
昨日の昼、佐賀からわざわざおじさんが来て、ぜひ、私の家にきてください。
と、たのまれたそうです。
手紙の中には、会社の社長さんなど、よいところがたくさんありましたが、やくそくなので、
どうしても、佐賀へいくのだそうです。
ねえさんは、はたらくことが決まったのをよろこんでおられるようですが、
私は、わかれ、わかれになるのがかなしくてたまりません。
びんぼうなので、ねえさんは16歳で、うられたのです。