こんな嬉しいことはありません・・。 姉さんが佐賀に奉公で行かれてから、私は兄さん、にあんちゃんと3人でくらしていたのです。
学校から帰ってきてもだれもいません・・。 寝床に入って、しのび泣きをしています、
姉さん、姉さん、もう、ねえさんはいません・・。
プレゼント 10月28日 水曜日 曇
国語の時間、書き取りのしけんに、とおらなかったので、残されました。
800字書くのです。
腹は減っています。500字かくと、腕がいたくなりました。それをがまんして書き上げました。
帰ろうとすると、先生から、
・・遅くなったので、と言って、あんパン2つ買ってくださいました。
わたしは嬉しいやら、悲しいやらで、むねが一杯になりました。
家が貧乏なので、こうしてもらってくらさねばならないのが、悲しかったのです。
こんなにしてもらつても、なんも恩返しができないのも、かなしいのです。
3日前に、先生が、
・・安本、きてごらん・・と言われたので、ついていくと、
工作室で、校長先生の奥様が、くださいましたよ、・・・
包装紙につつまれていたのはね空色に白と赤の水玉もようのワンピースです。
そのときも、私はありがたくて、目が熱くなりました。
まさか校長先生の奥様から、いただけるとは夢にも思っていませんでした