男子回転2本目、上位30名の滑走を終えた段階で皆川賢太郎は暫定4位タイ。湯浅直樹は暫定7位で入賞がほぼ確実と思われる。直前のW-CUPで2位に入りマスコミが「メダル確実!!」などと騒ぎ立てた佐々木明は途棄。残念ながら猪谷千春以来50年ぶりのメダルはならなかったが大健闘と言っていい成績ではなかろうか。
メダルが絶対的な評価になるオリンピック。今や「参加することに意義がある」などとトップアスリートの多くは思っているわけもなく、プロとして自分を高く売るためや、国からの手厚い報奨金を得るためにメダルを狙っていることは否定のしようがない。そういう状況の中、始まるまでは「メダル」「メダル」騒いでいながら、獲れないとなると手のひらを返したかの如く、陳腐な「大健闘」という言葉を並び立てる白痴なマスコミの風潮は許し難いものがあるが、今回の入賞を果たすであろう2名には「大健闘」という言葉を贈りたい。
トリノまで出向き、開会式、女子モーグルと観戦して帰国した割には、冷め切って盛り上がりに欠ける自分の気持ち。荒川の金メダルをもってしても今イチのめり込めない中、深夜に熱い気持ちで観戦できたのは皆川と湯浅のおかげに他ならない。特に1本目17位、2本目14番目スタートから1位に立ち、暫くの間1位としてモニタに映り続けた湯浅には素直に感動した。今期W-CUP7位に入賞するまで全くのノーマークだった選手がここまでやるとは正直予想してなかった。1本目3位の皆川の滑りはやや悔いの残る感も…3位に0.03秒差の4位。メダルに手が届く場所だっただけに残念である。いくつかミス??と思える滑りがあったが、滑走中にブーツのバックルが外れたとの情報も。スポーツに「たられば」は厳禁と思いつつも残念である。
自分の中では荒川の金メダルよりも賞賛に値する入賞である。猪谷以来入賞はおろか10位以内にも入れなかった近代アルペン競技で二人が同時に入賞は快挙である。深夜に興奮した心持でこの文章を書いているのであった。とはいえ冷静な目で見るとアルペン強豪国との力の差は歴然と言う感じも…オーストリアの金銀銅独占というのはスゴ過ぎ。日本女子フィギュアに対して「表彰台独占もありえますよ」と言っていた日本のアホバカマスコミに、表彰台独占ということのスゴさを良く考えて欲しいものだ。そのマスコミに注目された佐々木はやっぱり…佐々木の魅力はここ一番の攻めの滑りなどと言われるが、言い換えればツボにはまらないと結果を出せないということでは。世界の強豪に並ぶにはコレでは心もとない。注目された選手ほど結果が出せない、っていうのがトリノの特徴だろうか。