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 原発について3回も書いたので,もう終りにしようと思っていた.しかし電気さえ通じれば冷却水が還流するので~という見通しは,あまりに楽観的だった.福島原発事故は今も終息する気配が見えず,むしろ短期間での解決は遠のいたようにも見える.その間にも放射性分子~粒子の拡散は際限なく続く.汚染の広がりは阻止しようもない.状況は刻々と悪化している.
 一方,マスコミが繰り返す楽観論は,まるで大本営発表である.負け続けている戦争なのに,勝った勝ったと言うばかり.こういう雑音に惑わされない醒めた目が,いま必要だ.

 原発をめぐる報道について,当初より気になっていることがある.その一部は今までにも書いて来た.今回も気になること,スッキリしないことを書いてみる.私の「苦手分野」なので,話半分くらいに考えて欲しい.

 気になっている事のひとつは,放射線の測定方法である.テレビでよく目にするのはガイガーカウンター(ガイガー・ミュラー計数器)という道具.カラオケのマイクのような形をしたセンサーを人体に近づけて「被曝の有無」を調べていた.屋外にいると体の表面とか衣服にホコリが付着する.そのホコリの中に放射線を出す微粒子が含まれていると,このセンサーが放射線を感知して音を出す.
 ガイガーカウンターのカタログをホームページで見ると,機種によって検出できる放射線の種類が限られている.それに,放射線には「飛程」がある.つまり放射線のエネルギーが弱いとき,放射線は遠くまで飛ばない.したがってガイガーカウンターを線源にかなり近づけても検出できないこともありうる.その微弱な線源(放射線を出す微粒子)を吸い込んでしまったら,強い線源と同様(多分それ以上)に体内被曝(内部被曝)のトラブルを起こすだろう.要するに,ガイガーカウンターは放射線をすべて検出しているわけではないし,検出されないから無害というわけではない.

 このところ問題になっている食物や飲料水の汚染では,放射線を出す物質として特にヨウ素とかセシウムが問題になっている.こういう場合の測定方法について私は知らない.想像するに,野菜であればジュースにするのか,その他もっと良い方法があるのか,とにかく液体の状態にする.その液体を細い通路を通過させて,液体が出している放射線を検出・集計する.こういうような(具体的には知らないけれど)実験室的な方法なら,ガイガーカウンターに比べ,より正確だし,適当な分析方法と組み合わせて,どういう物質が放射線を出しているかまで決定できる.

 作業員の被曝も問題になっている.作業をする人は放射線を感知するバッジをつけている.作業中にそのバッジがうるさく鳴るので,音のスイッチを切って作業をすることもある,などと報道されている.
 で,そのバッジをあとで調べれば,作業員がどれほど放射線を浴びたかが判る.ただし,これは外部被曝の話である.作業中に吸い込んだ空気の中に含まれている(かもしれない)放射性微粒子が作業員の体内に入って,体内で発する放射線については何も判らない.とりあえず今回のような作業環境では,ガスマスクのような装備は必須だろう.

 また,このところ耳にする言葉に「防護服」がある.防護服にはいろいろな種類があるが,マスコミ報道は「防護服」とだけ言って,それ以上の説明は極めて少ない.どういう放射線をどの程度遮蔽する機能があるのかが,報道だけでは把握できない.
 今回被爆した作業者は,被爆線量を量るバッジを,衣服のポケットに入れていたらしい.もし作業者の被爆線量を知りたいのであれば,そして,防護服が本当に被曝を軽減させる機能があるのなら,バッジは防護服の内側に着けるべきだろう.でなければ作業者が本当にどれほど被曝したのかが判らない.実際にどのようにしていたのか,報道から得られる情報は少ない.

 総じて言うならば,「数字をいじり回しているだけ」に近いような報道・解説が目立つ.放射線の線量については,何をどのように測定したかによって,その意味するところは違ってくる.放射線量の測定方法は,特別難しい原理というわけでもないと思うので,具体的な測定方法まで含めて報道解説すれば,ニュースの意味も理解しやすくなる.また国民各自が対策をたて易くなるのでなかろうか.

 まだ話は続きます.原発事故が一段落しないのであれば,この続きを後日書きます.



追記.
 今回の作業者はバッジを通常の作業着の胸ポケットに入れて,その上に防護服を着ていたようです.つまりバッジは防護服の内側にあった.そして40~50分間の作業で173~180mSv(ミリシーベルト)の被曝をした.
 このとき現場は水がたまっていて,水面では400mSv/h(ミリシーベルト毎時)の放射線があった.また空間では200mSv/hであった.新聞はそのように書いています.
 変ですね.どこかに間違いがある?
 200mSv/hの環境に40~50分いたのなら,1時間は60分だから,被曝線量は200×40/60=133 ないし 200×50/60=166ミリシーベルト,と計算できる.ところが作業者(のバッジ)は173~180ミリシーベルトの被曝をしている.バッジは防護服の内側に着けていたんですよネ?

 新聞に出ていた数字がどこか間違っているのでしょう.正しい数字で計算をやり直す必要がありそうです.とにかく,そういう計算によって,防護服がどれほど防護の機能を果しているかという数字(放射線を何パーセント遮断,みたいな)が判ると思います.



追記その2
 以下は「雁屋哲の美味しんぼ日記」3月12日の記事より:

(転載はじめ)
 NHKに出て来た東大教授は、如何にも何でもない軽微な事故のように言うが、これが軽微だったら重篤の事故なんて物はない。
 冷却水が止まったら原子炉がどうなるのか、原力工学のイロハを知っていれば分かることだ。
 中央制御室内の放射能の値が既に通常の1000倍になっていると言う。
 その大学教授は、防護服を着て制御の作業に当たれば何でもないといった。
 おっさん、気は確かか。
         (以下略)
(転載おわり)

 震災があったのは3月11日.その翌日にはすでに「原発は安全」キャンペーンが始まっていたわけです.それにしてもこの「東大教授」さん,ちょっとひどいですね.





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Last updated  April 7, 2011 08:48:41 PM
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