大栗 裕作品集
ひさしぶりに吹奏楽を聴いてみました。バリバリの邦人作品、東洋のバルトークと言われた大栗裕の作品集。某オークションに出したんで、音飛びがないかチェックしがてら聴いてましたが演奏のクォリティの高さにビックリしました。曲は1.吹奏楽のための小狂詩曲 2.吹奏楽のための神話~天の岩屋戸の物語による 3.巫女の詠えるうた 4.仮面幻想 5.吹奏楽のためのバーレスク 6.吹奏楽のための「大阪俗謡による幻想曲」 なんと!小狂詩曲と大阪俗謡の指揮は今は亡き朝比奈 隆です。そのほかの指揮も元団長の木村吉宏ですから、大阪市音楽団の技術を最大限にまで引き出した演奏は見事の一言。小狂詩曲は1966年、バーレスクは1976年のコンクール課題曲ですから私と同世代の方とか先輩方は演奏したことがあるかもしれません。神話や大阪俗謡、仮面幻想・・・これらの曲も数多く取り上げられているのでみなさんのなかでも演奏したことがある人がいるかも。雅楽とか神話とか、夏祭りのお囃子・・・日本人の持つ土臭さとか色彩感覚、リズム感をこれほど見事に表現した演奏はないのではなんて思える演奏です。いずれも有名な曲ゆえ東京佼成ウィンドも数々の録音を残してます↑確かにうまいんだけどたとえば大阪俗謡で言うと同じ夏祭りでもね佼成がやると、ビルに囲まれたアスファルトの道路でやってるように聞こえます。聴いていても、祭りに参加してる気にならないんですよね。通りから見てるだけなんです。このCDの演奏だと、夕焼け空が見えて、木や土の匂いがして、タイコの音や笛の音がすぐそばに聞こえる・・・いつの間にかお囃子に合わせて自分も踊りの中に入っている、そんな感覚になります。こういう演奏してみたいです。