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売り場に学ぼう by 太田伸之

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Nobuyuki Ota

Nobuyuki Ota

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2023.12.22
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月曜日夕刻上海浦東空港から車で杭州に入り、火曜日と水曜日は終日セミナーでした。木曜日は主催者の計らいで杭州の観光地「西湖」湖畔でのんびり。そして金曜日は車で寧波に移動、阪急百貨店の視察、大手アパレルの1つであるYOUNGOR(ヤンガー)本社を訪ねました。


まるで政府機関のような本社ビル


企画や営業のワンフロア


私の右側白いニットの女性が社長

出迎えてくれた女性はモンクレールのキルティングジャケットを着ていました。モンクレールは中国でも人気があるとおしゃべりした女性がなんと社長でした。彼女は20余年前に新卒採用され、まず本社の中にある縫製工場で働き、その後直営店で販売を経験、本社に異動になってブランドのマネージメントなどいろんな現場を歩いてきた叩き上げ社員、創業一族の縁故関係ではありませんでした。

ヤンガーグループは不動産業などいろんなジャンルに進出、現在アパレルの売上比率はかなり低くなったとは言えまだ円換算で約2700億円売上の大企業、叩き上げのしかも女性社員を経営トップに抜擢した親会社の幹部は素晴らしい。新興企業によくある、海外の有名大学に留学してMBAを修得後帰国する優等生をヘッドハンティング経由でスカウトではありません。経営者として然るべき業績を期待したいです。


本社ビルの中にある広い縫製工場


基幹ブランド「ヤンガー」のショールーム


上級ブランド「メイヤー」はロロピアーナなど高級素材使用


米国ブランドも扱う

ヤンガーは一貫生産を大事にしています。全部の素材ではないにしても、綿花や麻を自家栽培、それを紡績して布を製造、自家工場でアパエル製品に仕上げています。そのためいろんな品質検査機関も社内なので本社には白衣を着た技術者がたくさん働いています。内製化することで品質への安心は得られるでしょうが、人件費を含めそれなりに経費は増え、売上の割に支出の多い企業体質かもしれません。

工場の流れを見える化しているので現時点で生産ラインのどのポイントが渋滞しているかは誰にもわかります。また、全国約2000の店頭と本社を結んで瞬時に会社全体の売上合計が表示されます。ネット通信とコンピュータを駆使して数値管理は徹底していますが、生産ラインの改善、商品のクリエーションにはもっと手を加えてもいいのでは、と正直思いました。

本社内には立派なホテルがあり、そこで夕食をご馳走になりました。せっかく工場を案内してもらったのでマーチャンダイジングの基本を備え付けのクローゼットのハンガーラックを使いながら説明。社長とマーケティングディレクター(こちらは外資ブランドから転職したばかりの女性)は定数定量管理の考え方を聴いてくれました。

杭州セミナーに参加してくださったアパレルメーカーやSPA企業幹部はヤンガーの女性社長とほぼ同世代、日本に比べると概して経営陣は若く熱心、問題意識もお持ちです。だからまだまだ伸び代があるように感じました。





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Last updated  2023.12.26 11:05:38
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