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テーマ:DVD映画鑑賞(13960)
カテゴリ:映画・TV鑑賞
日本人の考え方が、前作の頃より相当変化し、利己的、個人中心となり、他人の痛みがわからない時代、そういう中で、日本人が国土を失ったらどうする。好む好まざるに関わらず、だれもが日本全体のことを考えざるを得ない。
ところが政府も民間も危機感がなく、一部の人のみが奮闘し、また国内だけでうろたえている。全ての領土と国民が失われる、第二次世界大戦での敗戦などの比ではない時にですよ。この人たちは全くリアリティが感じられないではないですか。首相代理や天皇まで真っ先に海外へ。あり得ないでしょう。先の戦争でも昭和天皇は占領軍に、自分の命と引換えに日本国民を守ろうとしたではないですか。 国家滅亡が現実に迫った時、もっと全ての分野の能力を結集し、できる限りのことをしようとするでしょう。外国との技術協力や救援協力、沈没回避の共同研究の施作なども全く出てこない。隣国の韓国・ロシア・中国も”明日はわが身”のはずですけど、何の動きも描かれていない。 あっ、そういう手もあったか、 と思わせるものがなかったと思う。 挙句の果て、旧式の深海探査機と一人の滅私奉公を決意したパイロット(草なぎ)の奇跡に、日本国土と日本人全体の運命を託し、後は皆手をこまねいて結果を見ているだけとは。 また、人間ドラマを描くなら、草なぎと柴咲の恋愛話と献身や、福田麻由子の親との別れなどありきたりのものではなく、家に帰っても携帯でメールやチャットしているばかりの女子生徒、今期・今月の営業成績を気にしている企業人、地元や支持者の利益を第一優先に行動している代議士や、公務員などが、この事態を迎えてどう変るのか、どういった行動をとるのか、その変化を起す要因として彼らにどんな事件が起こるのかといったところを、多角的に描いてほしかった。 たとえば、救命病棟24時:第3シリーズでは大震災発生後、そういうさまざまな立場の人の変化を、調査などに基づきかなりリアリティを持たせて描いていて、見ごたえがあった。2時間という時間制約があるものの、それと比較すると人間ドラマも貧弱であったと思う。 あまり評価がよくなかったので、どうかと思いましたが、出演者の演技はよかったものの、やはり単なるリメークではなく、演出、脚本も時代に合わせて変えていかないと、何を訴えたいか伝わらないものになってしまうと感じた。 日本沈没 2006年 主演:草なぎ剛 出演:柴咲コウ 及川光博 福田麻由子 石坂浩二 豊川悦司 大地真央 他 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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