|
テーマ:DVD映画鑑賞(13979)
カテゴリ:映画・TV鑑賞
「手紙」評価3.5(5段階)
出演:山田孝之、玉山鉄二、沢尻エリカ、吹石一恵、尾上寛之、吹越満 監督:生野慈朗 「白夜行」の東野圭吾の原作で、犯罪者の家族への差別を取り扱った作品。 武島剛志(玉山)は、弟を大学に進学させるために日夜仕事に精を出していたが、腰を悪くして働けなくなり、金欲しさに盗みに入り、殺人を犯して服役する。 服役中の兄との絆は手紙であり、直貴(山田)からの兄の唯一の楽しみであり、毎月手紙でのやりとりをする。 自分のために兄は間違いをしてしまった、決して悪人ではないことは、弟の直貴も痛いほど理解している。それゆえ責めることはなく、手紙を出し続ける。 しかし弟は、兄が犯罪者ということで、仕事についても、成功しかけると差別を受け、腐って仕事を投げ出し、逃げるように転職を繰り返すという状態になり、いつしか兄を恨むようになり、手紙を出すこともやめてしまう。 そういう直貴の心情を十分理解して、直貴の運命を共に背負って、力になりたいという女性が、沢尻エリカ演じる由美子である。ただ、なぜ彼女が、直貴に近づき、かつそこまで直貴をささえ、苦労をともにする覚悟ができたか、その背景部分が不十分だったように思う。しかも少し自分がささえてやるんだ、というような恩着せがましい女にも見えた。直貴が兄に手紙を出さないようになってから、彼女が代って直貴のふりをして出し続けるなどは、ちょっと行き過ぎではないかと思えるようなことまであった。 しかし、彼女が直貴のささえになっていたことは間違いない。 そして最も印象的だったのは、杉浦直樹さん演じる 直貴の就職先のマネージャーの言葉。 直貴の兄の存在を知った人事部が、営業や売り場から倉庫に移動させたことについて、 「犯罪者や犯罪者に近い者を遠ざけようとするのは、当たり前のことで、そういう差別はあって当然だ。 君は差別から逃げてはいけない。こそから始めることだ。もう由美子さんという存在を作って、そこで生きているではないか。後は1人2人…と君を理解してくれようとする存在を増やしていけばいいんだ。」 これは泣けました。これがこの映画の主題なのでしょう。 そして 「犯罪者は、自分の罪だけを考えたのでは足りない。家族や関係者が背負う全ての苦痛をひっくるめて、全部を考えて行動する必要があった。」 とも言っている。 そういう意味で、この映画、最も重要な部分を杉浦直樹さんがとっていったな、という感じがしました。 補足ですが、尾上寛之と山田孝之の漫才シーン、けっこう様になっていて笑えたのは意外。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jun 11, 2007 01:00:08 AM
コメント(0) | コメントを書く
[映画・TV鑑賞] カテゴリの最新記事
|
|