中島みゆきコンサート「歌会 Vol.1」(東京国際フォーラム)【感想】
2024年5月31日、東京国際フォーラムで「中島みゆきコンサート 歌会 Vol.1」を聴いた。(開演前のホワイエ。軽い飲食とか、みゆきさんへの「お便り」書きとか、皆さんそんな感じで過ごしていた)3月8日に中島みゆきさんの公式HPから5/8と5/31のコンサートに応募して、3月23日に「5/31公演に当選!」のメールが届いた。最終日の公演に当選…!!信じられなくてメールを何回か読み返したあと、じわじわと感激した。5月22日にチケット発券開始のメールが届き、ファミリーマートでチケットを受け取った。チケットに書かれていた僕の座席は、5千人収容の東京国際フォーラムホールAの2階席の最後列だった。2階席の最後列…!!!微妙に信じたくなくて、チケットを何回か見返したあとスポーツ観戦用の双眼鏡を探し出し、チケットと一緒の場所に置いた。だけど、東京国際フォーラムの2階席最後列は決して悪い席ではなかった。オペラグラスがあるに越したことはないが、強めの傾斜のある2階席からはステージが良く見渡せて、音もきれいに聴こえたし、ステージとの一体感もしっかりと感じられた。(コンサート会場「東京国際フォーラム ホールA」)この日、みゆきさんは、アンコール2曲を含め、19曲を歌ってくれた。長いツアーの最終日だったためだろうか、冒頭の2〜3曲、声が少し荒れていたが、本人もトークの中で冗談交じりに声の調子に触れたあと、すっかり復活。迫力の演奏とともに中島みゆきさんの力強い歌声が満席のホールに響いた。付け加えると、少し荒れ気味のみゆきさんの歌声にはソウルシンガーのような迫力があって、僕は痺れながら聴いていた。ステージの終盤、「先患い」(さきわずらい)という言い方を、みゆきさんはしたと思う。「先のことを心配して、今、この瞬間を疎かにしてしまうところが私(みゆきさん)にはあるけれど、明日何が起きるかなんて誰にもわからない。こうして皆さんの前に立って、歌っている《今》に心から感謝したい。」めちゃくちゃな超訳で申し訳ないけど、そんな趣旨のことを、みゆきさんは最後に話してくれた。コロナ禍の時、「音楽は不要不急」と決めつけられ、長い間ステージで歌うことができず、その間に長年頼りにしていたバンドマスターが亡くなってしまい、悩んだ末に4年ぶりのステージに立ったみゆきさん。力強い歌声も、歌詞も、そして相変わらず軽妙なトークも、どれもこれもググッと心に響いてきた。これまでその都度頑張ってきたつもりだけど、結果として平凡の一語に尽きる僕の人生にさえ、みゆきさんはステージ上から暖かくて柔らかい光を当ててくれているように思えた。ほんわかと嬉しくて、有楽町のでっかいホールの片隅で、中島みゆきさんから一生分のご褒美をもらえた気持ちになった。「みゆきさん、最高でしたよ、ありがとう」そう思いながら、ほぼ外国語しか聞こえてこないコロナ禍後の夜の銀座を、地下鉄駅までゆっくり歩いた。【当日のセットリスト】1.はじめまして2.歌うことが許されなければ3.倶に(ともに)4.病院童5.銀の龍の背に乗って6.店の名はライフ7.LADY JANE8.愛だけを残せ9.ミラージュ・ホテル10.百九番目の除夜の鐘11.紅い河12.命のリレー13.リトル・トーキョー14.慕情15.体温16.ひまわり“SUNWARD”17.心音18.野うさぎのように19.地上の星(終演後のエントランス)