小田和正のお話をもうひとつ。
私が大学生の頃ちょうどオフコースの人気がピークに来ていた。
「さよなら」が大ヒット、武道館コンサートも満員御礼で、当時としてはまだ珍しかったビデオクリップなども率先して制作、TVで流れるのをみんなで見ていた。
私のバイト先の先輩に、レインボーのコピーバンドをやっていた人がいた。一度だけそのコンサートをのぞきに行ったが、彼はドラムの担当で、時々プロのミュージシャンのバックバンドもやる、という彼の言葉通り、クロウトはだしの腕前だった。
彼は私のクラシック好きとオフコース好きとは全く趣味が異なっていたが(なにせハードロッカーだったから)、ある時、「俺はオフコースみたいな軟弱な歌は嫌いだが、小田和正は別格だな」と言った。「どこが別格なの?」と聞くと、「楽譜を読んでみると、小田のコード進行は常人の発想とは違うものを感じる。いうなれば、普通の人とは別次元のコード進行が見て取れる。俺はオフコースは嫌いだが、小田和正はすごいと思うよ。あいつはきっと息の長いミュージシャンになる」さすがミュージシャンのお言葉は違うなあ、と驚いたことを昨日のように思い出す。
その言葉を聞いたのが約20年前。その彼の予想通り、小田は58歳になってもその変わらない透明なヴォイスと才能で、ヒットを出し続けている。是非「還暦祝いアルバム」も出して欲しいものだ。(冗談ではなくて)
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最終更新日
2005年07月10日 14時24分34秒
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