カテゴリ:野鳥
Molothrus ater Icteridae ムクドリモドキ科 コウウチョウ 7.5 inches (19.05 cm) ♂ Brookside Gardens, MDにて 2006.05.13 ************************************** 頭の茶色い黒い鳥。図鑑だけでしか見たことがなかった頃は、実際にフィールドで見ても、頭の茶色いことに気がつかないのではないかと思っていました。藪の中に甲高い金属音のような音を聞いたのが最初でした。そして、頭が茶色いことに気づいて、とても嬉しくなったものです。雌は全身灰色で地味ですが、瞳がきょとんとした感じで可愛らしいです。 D. C. 近郊ではポピュラーな夏鳥です。図鑑では留鳥扱いになっていますが、私は冬に見かけたことはありません。北米中部~東部で留鳥、西部では南方と海岸部で留鳥になるようです。北西部・中西部~カナダにかけて夏鳥、フロリダ半島の南端・アリゾナ州南西部~メキシコの一部で冬鳥です。 Brown-headed Cowbirdは日本のカッコウのように托卵をして繁殖します。144種もの鳥達への托卵で、繁殖成功しているそうです。さぞかし個体数が増えているのだろうと思いましたが、卵の97%も繁殖に失敗し、成鳥になることはないとか。ちなみに、アメリカのカッコウ (Cuckoo) は托卵しません (Yellow-billed Cuckoo)。 托卵された側の多くの野鳥達中には、繁殖を妨げられている野鳥もいます。中でも、Kirtland's Warbler、Golden-cheeked Warbler、Black-capped Vireo、Bell's Vireoのカリフォルニア亜種などへの影響は大きく、生存が脅かされています。これには、郊外開発により森林が伐採され、森が断片化 (fragmentation)してしまったことが影響しているようです。伐採により切り取られた森の端には、森と道路、森と民家など境界になる部分が増えます。この境界部分はBrown-headed Cowbirdが好む生息環境です。こうして、森の中に住む野鳥達が托卵される機会が増えてしまいました。 雌は他の野鳥、特にOriolesなど (Orchard Oriole・Baltimore Oriole) の巣1つに卵を1つずつ産み落とします。この時、宿主となる鳥の卵を取り除くことが多いそうです。しかも、Cowbirdの卵の方が1日早く孵り、その雛は宿主となる鳥の雛より大きいとは、上手いことできているなぁと感心してしまいます。雛が宿主となる鳥の雛を巣の外に追い出してしまうこともありますが、宿主の雛も無事巣立つこともあるようです。以前、ビデオで見ましたが、Yellow Warblerは托卵されたとたんに、自分の巣の上に別の巣を作り、新しい巣で営巣していました。Cowbirdの托卵に気づいて卵を取り除いたり、壊したりする野鳥もいれば、全く気づかない野鳥もいるようです。 ♀ Brookside Gardens, MDにて 2006.05.13 Back Bay National Wildlife Refuge, VAにて 2006.05.27 Back Bay National Wildlife Refuge, VAにて 2006.05.27 ************************************** 以下はデジスコ導入前の想い出の作品♪ ♂ Rock Creek Park, D. C. にて 2003.04.14 ♀ Rock Creek Park, D. C. にて 2003.04.14 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/11/23 01:36:00 PM
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