◆痴呆症は、もはや老人病ではない
痴呆症=老人病ではなくなりつつある。米国をはじめ、日本でも、若年性の痴呆症が問題になりつつある。
先日のTBSニュースの森で報道されていたが、何と18~65歳の若年性痴呆症患者が10万人いると。
「ちょっとした鬱状態か、倦怠感のようなものだと思っていた。まさか、アルツハイマー症とは」---。米国ではこうした診断を下され、戸惑う30代から60代前半の若年性痴呆患者が増えている。
現在、米国ではアルツハイマー病患者は推定約400万人。そのうち、5%から10%が65歳以下の若年性アルツハイマー症といわれる。2050年にはアルツハイマー病患者は1400万人に膨れ上がり、若年性は15%近くに達するものと予測されている。
若年性のそれは、遺伝子DNAの異常に原因があるためとみられているが、老人性より痴呆の進行が早く、数年のうちに重症となり、診断から10年以内に亡くなるケースもあるといわれる。
私は120歳の天寿まで健康で豊かに暮らすと決めているので、徹底した予防策を実践しています。
http://plaza.rakuten.co.jp/wellness21jp/003015
◆脳のシミ、「アミロイドβ蛋白」説が有力
加齢とともに脳内に蓄積され、脳のシミにも例えられる老人斑。この老人斑の構成成分であるアミロイドβ蛋白質こそ、痴呆症の一つ、アルツハイマー病の発症要因であるとみられている。
脳の神経細胞で作られる蛋白質(アミロイド前駆体蛋白質)は蛋白質分解酵素で切断され、アミロイドβ蛋白質となる。アミロイドβ蛋白質は凝集性が強く、老人斑を形成する。そして、その強い毒性で神経細胞にダメージを与え、アルツハイマー病を発症させるという。現在、痴呆症治療には、この「アミロイドβ蛋白」説に基づいた薬物治療が試みられている。
◆抑うつ、いらいら、不眠などアルツハイマー症の周辺症状
主なものとしては以下のようなもの。
必ずみられる中核症状として、
・新しいことを覚えられない、以前のことを思いだせない
・物の名前が出てこない
・品物をみても何だかわからない
・段取りや計画が立てられない
・服の着方や道具の使い方がわからない
など。
また、周辺症状として、
・抑うつ状態、いらいらして落ち着かない
・不眠、一人にされると落ち着かなくなる
・無目的に歩きまわる
・ささいなことで声を荒げたり、手を挙げたりする
・夜中に急に騒ぎ出したりする
などがみられるケースがあるという。
◆飽和脂肪、トランス脂肪の摂取との関連も指摘
最近の研究では、ニューヨークの研究者が、最低65歳で痴呆の徴候がない815人の食生活調査を行った(期間中に131人がアルツハイマー病を発症)ところ、飽和脂肪を最も多く摂ったグループは最も少なかったグループに比べ、アルツハイマー病の危険性が2倍高くなったと報告している。またトランス脂肪を多く摂ったグループもリスクが2倍以上になっていたという(Neurology’03/2月号)。
オランダの研究グループが、85歳の男女561人の調査で、血中のHDL(善玉)コレステロール濃度が最も低いグループは高いグループに比べ、痴呆の危険性が2倍以上高いことが分かったとも報告している。