健康に無頓着で暮らしていると病気になるということが医療費面から明らかにされています。
私のように健康に時間とお金をかけている人が健康に無頓着な人の医療費の一部を負担していることになりますので、リスクに見合った自己負担が要求される時代がきそうです。
健康が大切だと思えば、学び、実践されると思いますので、健康の大切さに気がついていただくことがポイントです。
生活習慣病は発病したら治すのは大変ですが、予防の方がはるかに簡単ですから。
運動不足や肥満、喫煙が健康に有害なことは多くの研究で明らかになっているが、診療報酬明細(レセプト)による大規模な前向きコホート研究の結果、中高年齢者ではこれらの健康リスクによって、最大で4割強も医療費が増大していることが判明した。東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学分野の栗山進一氏が、10月23日の一般口演「疫学・保健医療情報」で発表した。
栗山氏らの研究グループは、宮城県大崎保健所管内に住む40歳から79歳までの国民健康保険加入者全員(5万4996人)の中で、1994年10~12月に実施されたベースライン調査に回答した5万1255人のうち、身長、体重、運動に関する質問に未回答の人、BMIが20未満、身体活動能力に制限がある人を除いた2万6110人を対象として、1995年1月1日から2001年12月31日までの7年間追跡し、健康リスクと医療費の関係を調査した。
その結果、1カ月当たりの平均医療費は、健康リスクを持たない(生涯非喫煙者、BMI=20以上25未満、1日1時間以上歩行)群に対して、これらのリスクをいずれか一つ保有している群では、喫煙群が9.0%、肥満群が8.2%、運動不足群では7.5%、それぞれ多く費やしていた。喫煙と肥満の2リスクを保有している場合には13.3%、同じく喫煙と運動不足では32.2%、肥満と運動不足では17.3%医療費が高かった。さらに、3つのリスクを重複して持っている場合には、医療費は2万9341円と、リスク無し群に対して、実に43.1%も高いことが判明した。
本研究により、運動不足や喫煙などの健康リスクを持っている人は医療コストが大幅に高く、健康な生活習慣を持っている人たちまでがそうした余分な医療コストを負担している実態が明らかになった。栗山氏は、「特に健康リスクを複数持つ人に対しては、運動や禁煙などの介入を積極的に実施する必要がある」としていた。今後、動機付けを促進し、負担の公平を考慮する意味で、健康リスクと保険料負担を連係させるといった施策も検討の価値がありそうだ。
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