環境問題に積極的なのは欧州です。
その中でもドイツと並んで厳しいのが英国だと思います。
そんな厳しい英国でも、人間が作った化学物質が体内に蓄積されています。
経済活動、企業を優先して、先進国で一番無頓着といわれている日本はこの何倍もの蓄積があると想像できます。
いいかげんに気がつかないと取り返しがきかない時期だと思っています。
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英ガーディアン紙の 10月8日付けに載っている記事は、イギリス全土から地域の異なる7家族をボランティアで選んで、WWF-UK が調査した結果です。子どもの血液中に含まれる人工化学物質は、発育やホルモンの働きを阻害する疑いのあるものが多く、祖父母の血液に含まれる量とくらべて濃度が高いと書かれています。
ガーディアン、10月8日
7家族33人の血液について104物質を調べたところ、80の人工化学物質が検出されました。子どもたちの血液に含まれていたのは75物質で、これは両親の世代と同じでした。ところが祖父母の世代になると56物質に減りました。一部の物質について、子どもたちの方が濃度の高いものがありました。
調査の対象となった物質は、環境中に蓄積することが知られているものです。たとえば、家具やテレビに使われる有機臭素系の難燃剤、ノンスティック加工のフライパンや、防汚加工を施したカーペットや衣類の製造に使われる有機フッ素系(パーフルオロ)化合物などでした。
調査の対象となった人の82% には、少なくとも一種類の有機フッ素化合物が血液の中に含まれていました。塩ビなどに含まれる DEHP は75% 以上の人に含まれていました。子どもたちが生まれる10年以上まえに英国ではすでに禁止されている PCB や、DDT の分解生成物 DDE も全員の血液から検出されましたが、祖父母の世代の方が高くなっていました。臭素系難燃剤の BDE は7人から検出され、その大半が子どもでした。
調査は、こうした物質を取り込む経路にふれて、PCB は油分の多い魚をよく食べている家族で高かったとか、会社に電気器具が多いと難燃剤の取り込み量が多いとかいった関連についても書いています。
なお、この調査事業にはイギリスの協同組合銀行が協力しています。この銀行は生協が共同出資して設立したもので、数々の興味深い取り組みをしています。
(出典:世界の環境ホットニュース [GEN] )
◆化学物質の監視制度はまだ不十分、市民団体がPRTR制度の活用を訴え
NPOの「有害化学物質削減ネットワーク」は10月9日、都内で会合を持ち、環境汚染物質の排出・移動・登録制度(PRTR)について問題点を報告。同制度が汚染化学物質の環境排出量を正確に反映していないと指摘した。PRTR制度は1年間の対象化学物質の排出量や移動量を国が把握し、データを公開する制度で2002年度からスタートした。年度比較で排出量が増加している汚染物質があることもわかった
(出典:ニッポン消費者新聞)