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カテゴリ:食・栄養
おはようございます。
いつもありがとうございます。 毎日毎日、多くのステキなことがあり、感謝しています。 親から受け継ぎ、一生変わらないヒトの遺伝子は約2万個と言われています。 しかし、心身に影響をもたらす腸内細菌の遺伝子は20~40万あり、中にはヒトが消化できない食べ物からエネルギー源を取り出したり、免疫に関わったりする遺伝子があり、細菌とヒトが相互に助け合って共生する姿が遺伝子からも見えてきたそうですし、性格まで左右する報告がでてきましたが、腸内細菌叢の乱れで、体内時計が狂い太りやすい体質になる恐れがあるそうです。 日本人は炭水化物やアミノ酸を利用してエネルギー源を取り出す遺伝子が多く、さらに炭水化物の代謝でできる水素を利用して栄養素を作るものが多く日本人の腸内は細菌との相互扶助がうまくいく健全な環境だそうです。 人間の腸内にいる数万種、数百兆個と言われる多種・多様な腸内細菌のバランスを保つことが、健康維持に重要な役割を果たすと言われています。この細菌の塊は腸内細菌叢または腸内フローラと呼ばれ、消化・吸収・排泄・免疫の点で多大な役割を担っているのでアレルギー、肥満、糖尿病、動脈硬化、ガン、アレルギー、皮膚疾患、さらにうつ、自閉症やパーキンソン病など脳、神経系疾患にも影響を与えることが分かってきたそうです。 ・「腸内細菌」は肥満、動脈硬化、がんの毒にも薬にもなる ・あなたの性格を決める「ゲノム」が判明!? 「良い人/悪い人」は「腸内細菌」で決まる!? ・“腸内菌”が幸福感を左右する! 知られざる腸のチカラ ・21世紀は腸内細菌叢に注目 慢性疲労症候群にも関連か ・ウォーキングが腸内フローラを改善 腸内細菌叢が変化し脳を健康に ・健康維持の秘訣は「腸内フローラ」のバランスを整えること! 大腸がんや糖尿病の予防にも大活躍 ・「腸内フローラ」って何? 様々な病気との関係も指摘される“微生物群”の実態とは ・腸内細菌で体が変わる? 移植で腸炎改善も ・運動が腸内細菌によい影響を与えている ・日本人の腸の老化は深刻な状態 ・健康維持に大切な腸内細菌 抗生物質や食習慣で乱れ 最近の研究で短鎖脂肪酸の驚くべき働きぶりが分かってきたそうです。 炭素数が6個以下の短鎖脂肪酸は、大腸内の腸内細菌が作る脂肪酸で、酢酸、プロピオン酸、酪酸があり、消化酵素で分解し切れない食物繊維を発酵・分解する役割があります。 短鎖脂肪酸は、腸内を適度な弱酸性に保ち、悪玉菌の出す有害酵素、発がん性物質の二次胆汁酸、腐敗産物の活力を一気に抑え込み、善玉菌を全力で加勢する腸内のスーパーマン。短鎖脂肪酸は、オリゴ糖や食物繊維を豊富に含む食品を食べたり、ビフィズス菌などの有益な腸内細菌を増やせばよく、腸内はますます元気になります。 また、ウイルスや病原菌から体を守る腸管バリア機能も短鎖脂肪酸の得意技だそうです。 腸細菌の研究で知られる酪農学園大学の辨野教授が実施した「腸年齢と健康に関する調査」によると、実年齢20代の平均腸年齢は45.7歳、実年齢30代の平均腸年齢は51.3歳、40代の平均腸年齢は54.2歳。日本人の腸の老化は予想以上に深刻で、整腸力が落ちていることが明らかだそうです。 この調査では、腸年齢の若い人ほど脳機能の衰えが少なく、老化もゆっくりと進むことが判明。腸年齢の若い人は、肌の悩みが少なく、健康状態や体力、気持ちの持ち方、外見も若い。腸を若々しく保てば保つほど、何歳になっても病気に罹りにくい健康体を維持できる。腸年齢の若さを保つことは、健康長寿に欠かせないそうです。 ・あなたの「腸」は何歳? 私は23問中チェックは2つでした。 チェックが4個以下の人:腸年齢=実年齢,腸年齢は若くてバッチリ合格! 人間の腸内にいる多様な細菌のバランスを保つことが、健康維持に重要な役割を果たすと言われています。いろいろな食材を少しずつ食べる和食のスタイルが、腸細菌のバランス維持に寄与しているそうで、専門家は「和食を多く取り入れると、肥満やメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の予防・改善に効果が期待できる」と話しています。 日本は平均寿命こそ世界トップレベルですが、国民の約7割は岩盤のような健康管理無関心層(筑波大大学院・久野譜也教授)で、2014年厚生労働白書によると健康管理は「何もしない」派が46%もいるそうで、健康のために出費してもよいと考える金額の平均はわずか月3000円と驚くほど低額です。国民皆保険に甘えて世界一医療に依存して健康管理を怠る日本人の主観的健康度は主要35カ国中34位(2016年OECD調査)と韓国と同率最下位で、驚くほど低率です。 世界23カ国の健康意識調査で、健康的な食生活は23カ国平均は59%が意識しているのに対して、日本は半分以下の29%・最下位で、十分な睡眠をとる:54%(ワースト3)、定期的な運動:39%(最下位)という世界一の健康オンチ国で、野菜も食べていません。 一人暮らし学生は、面倒、高いなどから4割が野菜食べないそうで、主要国で日本だけが減っています。さらに「私は野菜を摂れている」と回答しても8割超は不足という残念な現実も浮き彫りになっています。 ・人生で今日が一番若い。 ・他人と過去は、変えられない。自分と未来は、変えられる(カナダの精神科医・エリック・バーン) ・予防に1ドル投資すると医療費が3.27ドル減り、生産性が2.73ドル向上する。(ハーバード大学) ・やる気よりやること。やる気があるだけではやらないのと同じです。行動こそが勝負です。(百寿医師・日野原重明先生) ・運動をする時間がないと考えている人たちは、遅かれ早かれ病気のための時間を見つけなければならなくなる。(エドワード・スタンリー伯爵) ・健康こそ最大の資産であり、史上最高の投資である (リチャード・ブランソン:ヴァージングループ会長) ・健康な身体を維持する意志力がないということは、人生を左右する重要な状況において、積極的心構えを維持する力にも欠ける。(ナポレオン・ヒル) 日本人は先進国の中で心臓病による死亡率が低く、このことが長寿の一因となっています。これは和食による影響が大きく、さらに和食は倹約遺伝子により糖尿病を発症しやすい日本人の健康寿命を改善する作用があるそうです。日本ではあまり調査・研究されていないので具体的メニューとしては、マウス実験しかないようですが、昭和50年代のものがよいそうです。 また、日本人の健康寿命を短縮している疾患は、心疾患、脳卒中、糖尿病、骨粗鬆症、膝関節症、認知症、ガンだそうです。これは塩分の過剰摂取と慢性的なカルシウム不足や抗酸化物質の摂取不足が原因と言われていますので、うまくカバーするために地中海食のよさを加味し、主食を最後に食べるカーボラストにするとさらによくなりそうです。 和食が世界文化遺産登録されても日本人の和食離れが進み、この遺産は相続拒否されていて食生活はドンドン不健康化しています。 そんなことから脂質摂取が過剰になり、食事がお菓子化しているおかしな国になり、さらに味付けも、食材も甘くなっているので、自業自得の結果としてさらに生活習慣病が増えるのは間違いないです。 アメリカからパン食を餌付けされた食料植民地となっていることに気づいて和食を見直す人が増えることを強く期待したいです。 厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、40~74歳の日本人の内、男性の約6割、女性の約4割が高血圧といわれていますので、塩分は1日6g未満に抑えたいです。 食事中の食塩の75%以上が、レストラン、加工食品やファーストフードなどに由来していると言われています。 新鮮でバランスのよい食品を選び、自分で調理することが、減塩の一番の方法だそうです。新鮮な食品には、ナトリウムの含有量は低く、調理するときに食塩の摂取量が確認できます。しかも、新鮮な野菜や果物にはカリウムが豊富に含まれていて余分な塩分が排出されます。 ・ヒトは食物から造られる以外の何者でもない(医聖・医学の祖 ヒポクラテス) ・汝の食物を医者とも医薬ともせよ。食物で治せない病気は医者にも治せない(医聖・医学の祖 ヒポクラテス) そして、食事の外部化も進み、おふくろの味は袋の味に変わっています。 「家庭の味」遺産になる? 手作り減少 調理力と健康は強く相関していますので、国民の健康状態が悪化の一途の歯止めはかからないと危機感を強く感じます。 食育の重要性を訴えている服部栄養専門学校理事長・校長の服部幸應さんは産経新聞の取材で以下のようにコメントしています。 ・食育の重要性は1985年頃に気づいた。 ・新入学生に1週間の食事日記を提出させたら悪さにビックリ。 ・2年間で変えてやろうと、いろいろやって卒業時にまた調査したらわずか6%しか改善していない。 ・栄養士や調理師を目指す学生でこれなのに、試験は出来る ・3~8歳の間が特に重要で、厳しくしつけることが肝心。 子供の運命は常にその母が創る(ナポレオン) 8歳までの食暦と躾が人生を決めてしまうわけですね。 2011年国民健康・栄養調査結果の概要 ◆国民健康・栄養調査は1948年以降毎年行なわれているが、有益と思われるデータがないため食事の変化が死亡率の増減にどのように影響を与えたか説明できない。 データも利用できない。日本と世界にとって深刻な損失。 ランセット2011年9月日本特集号 (世界で最もよく知られ、最も評価の高い世界五大医学雑誌の一つ 出典:ウィキペディア) ◆日本に決定的に欠けているのは、トップランクの大学に「人間栄養学」がないこと。 このままでは、日本人は栄養を通じて健康を保つことはできないだろう。 東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻社会予防疫学分野・佐々木敏教授 ◆日本は国民の新しい健康課題に効果的に取り組んでいるように見えない。 国民の健康寿命の最大の危険因子は栄養の偏った食事である。 日本人は長く生きた分だけ病気や障害に苦しむ年数も増大している。 東京大学大学院医学系研究科国際保健学専攻国際保健政策分野・渋谷健司教授 1977年に発表され、世界の健康政策の原典と言われているアメリカ上院栄養問題特別委員会報告書(通称マクガバンレポート)によれば世界最高の長寿食は、伝統的日本食です。 食事改善のコツはパン→ごはん、ラーメン→そば、スパゲティ→うどん、ケーキ→まんじゅう、ミルク→豆乳のように、カタカナ食品からひらがな食品にすることで、少しもむずかしくありません。 ごはんは、私は玄米ですが好き嫌いがあるので、白米ともち麦を半々に混ぜた麦飯をおすすめします。 おかずは、「まごたちわやさしいさ」にしてよく噛んで楽しく食べたいものです。 ま:大豆、あずきなど豆類のこと。タンパク質、マグネシウムの摂取に ご:ゴマ ナッツ クルミ アーモンドのこと。不飽和脂肪酸・ビタミンEの摂取に た:たまごのこと。アミノ酸スコア最高点のタンパク質の摂取に ち:乳類のこと。タンパク質、カルシウムの摂取に わ:わかめ コンブ のりなどのこと。ヨード、カルシウムの摂取に や:野菜、根菜のこと。ベータカロチン、ビタミンCの摂取に さ:魚のこと。タンパク質、オメガ3系脂肪酸、亜鉛の摂取に し:しいたけ、しめじなどきのこ類のこと。多糖類、食物繊維の摂取に い:じゃがいも、さつまいもなどイモ類のこと。食物繊維、炭水化物の摂取に さ:サプリメントのこと。欧米では総合ビタミン・ミネラル剤はおかずの一つとして定着 食・栄養を改善して必須栄養素の種類と量を理想に近づけて抗酸化力を高めると体調は劇的によくなるので、喜ばれています。 私のライフワーク:質の高い健康とより幸福・豊かな人生を実現するお手伝い。 私が発明しているのは、「人類を救う宇宙人」であるという可能性です。 食 関連フリーページ 食生活の改善 (私がめざしている食生活) 食の提言 食育のすすめ -大切なものを失った日本人- 粗食のすすめ 「健康と食生活 今日からできる10の提案」 戦後の栄養改善運動が生活習慣病を蔓延させた真因だ! 健康的な油脂類の摂り方 「1本で1日分の野菜」ジュース、35品全製品が落第 マクドナルドを30日間食べ続けたらどうなるか? あぶないコンビニ食 マーガリン・精製油の恐怖 21世紀の知的健康法 2.0 『21世紀の子供を守る食育勉強会』と題したボランティア勉強会 ****************************【以下転載】**************************** ヒトに限らず、地球上の生物は自転とほぼ同じ1日(24時間)周期で体内環境を変化させており、これを概日リズムと言います。もともとは昼夜の変化に適応したものですが、実は、光や温度変化のないところで安静を保っていても概日リズムは維持されています。体内時計があるからです。体内時計は、体温、血圧やホルモンなどのリズムを整えていて、その体内時計が乱れてくると、肥満、糖尿病、心血管疾患やがんなどのリスクが高まることが報告されています。 脳にある「主時計」と、全身の細胞にある「末梢時計」 ところで、私たちの体内のどこに時計があるのでしょうか? 1972年、脳の視床下部の視交叉上核という部分に、哺乳類の体内時計(主時計)があることが見つかりました。視交叉上核にある神経細胞は、目から入った光の情報を受け取り、松果体という所へ信号を送ります。松果体からは、「メラトニン」という睡眠を促すホルモンが、朝日を浴びてから約14~16時間後に分泌されます。メラトニンは脈拍や体温、血圧などを低下させ、体に睡眠の準備ができたことを認識させて自然な眠りに導きます。ですので、朝7時に起きると夜の9~11時ごろに眠くなってくるのです。視交叉上核が破壊されると、規則正しい睡眠リズムが完全になくなります。 その25年後の1997年に、体内時計をコントロールしている「時計遺伝子」が発見されました。代表的な時計遺伝子は、体内時計の刻みを促進するCLOCKトARNTL(BMAL1)、また抑制するPERIOD(PER)とCRYPTOCHROME(CRY)などが知られています。驚いたことは、時計遺伝子は、視床下部の視交叉上核だけではなく、心臓、肝臓、肺、筋肉、肺、粘膜や皮膚など、あらゆる全身の末梢(まっしょう)組織にも存在することがわかりました。これらは脳にある「主時計」に対して「末梢時計」と呼ばれています。 脳の「主時計」は、全身の細胞にある「末梢時計」がバラバラに働かないように指揮をしています。まるで、「主時計」と「末梢時計」は、オーケストラの指揮者と奏者の関係みたいですね。 ところが、「末梢時計」の狂いが、「主時計」に影響を及ぼすことも報告されています。2012年、ペンシルベニア大学の研究者らの科学誌「Nature Medicine」の報告によると、脂肪細胞にあるARNTLという時計遺伝子を欠損させたマウスは、寝る時間帯に食事の摂取量が増え、同じカロリー摂取でも、規則正しい生活のマウスより体重が増加しました。 著者のひとりであるフィッツジェラルド博士は、「打楽器演奏者が、指揮者なしでドラムをたたき、その作用が指揮者に影響したようなもの」と説明しています。研究者たちは、脂肪細胞の末梢時計が視床下部と、双方向性に情報をやりとりすることが、食事のタイミングにおいて重要な役割を果たすことを示しました。 でも、なぜ体内時計が狂うと、肥満、糖尿病、心血管疾患やがんなどのリスクが高まるのでしょうか? 理由はいろいろ考えられていますが、腸内細菌叢が、その候補のひとつになっています。体内の数十兆の細胞に「末梢時計」が存在する、というだけでも驚きですが、もし、私たちの腸にすんでいる、およそ100兆個という数の腸内細菌まで体内時計に関与しているとなると驚嘆ですよね。 ところで腸内細菌叢の乱れのために生じる疾患は、体内時計の狂いで生じる疾患に類似していると思いませんか? この謎解きに挑戦したのが、イスラエルのワイツマン科学研究所の研究者らです。その結果は、昨年の科学誌「Cell」に報告されました。 腸内細菌叢も時差ぼけになる!? 研究者らは、一日のさまざまな時刻において、マウスの糞便を集めて、腸内細菌叢を解析しました。すると、サンプルの採取時刻で、異なった腸内細菌叢の種類や活動が認められました。マウスは夜行性動物ですが、夜間に細菌たちは、エネルギー代謝、DNAの修復や細胞の増殖のために忙しく働いていました。一方日中は、体内の有害物質を水に溶けやすく体外に排出しやすい状態に変える解毒作用などの機能を維持するための基本的な作業に努めていました。 次に研究者らは、時差ぼけのマウスとヒトにおいて、腸内細菌叢を解析しました。マウスは、旅行はしなくとも、部屋の明かりや食事のタイミングを操作して、時差ぼけの状態にしました。時差ぼけマウスと正常なマウスの大きな違いは、食事の時間帯でした。正常なマウスは、活動的な夜が食事の時間帯でしたが、時差ぼけマウスは、つねに食べ続けていました。そして時差ぼけマウスは、正常のマウスと同じ食事の摂取量にもかかわらず、体重が増えて、糖尿病となりました。 ヒトにおいての被験者は、2人の米国からイスラエルへの旅行者です。研究者らが、時差ぼけ前、中、後における糞便サンプルの解析をすると、マウスと類似の細菌の変動を認めました。時差ぼけの被験者のサンプルは、肥満や糖尿病の人でより一般的に見られる腸内細菌叢が増加していました。また、時差ぼけが改善した後は、これらの腸内細菌叢が正常に戻り落ち着きました。つまり時差ぼけになると、腸内細菌叢が一時的に「肥満・糖尿病タイプ」に変化してしまうわけです。さらに、時差ぼけの被験者の腸内細菌叢を、健康なマウスに移植すると、時差ぼけ前の被験者の腸内細菌叢を移植したマウスに比べて、体重が増加し、血糖値の増加、体脂肪もより高くなりました。 この報告で、昼夜が逆転した職場で働く人や睡眠障害の患者さんがなぜ肥満になりやすいか、という疑問に対する一つの答えが導き出されました。昼夜が逆転し、体内時計が乱れている人は腸内細菌叢が、いわば「肥満型」に移行してしまうわけです。この点についてさらに、今年5月、シカゴ大学のユージン•チャン教授らのチームにより、腸内細菌叢も体内時計のリズムの調整に関与していることが、科学雑誌「Cell Host & Microbe」上で報告されました。 時計遺伝子が、腸内細菌叢と相互作用を起こす! 食事の質や内容は、私たちの腸内細菌叢に影響を与えます。チャン教授らは、時計遺伝子が、腸内細菌叢と相互作用をもつのかどうかを検討しました。 研究者らは、2種類のマウスを準備しました。1)無菌マウス:腸内細菌叢をもちません。2)従来のマウス:無菌マウスとの比較のためのマウスです。研究者らは、食事が、腸内細菌叢と体内時計に与える影響を調査するために、マウスに低脂肪食または高脂肪食のいずれかを与えました。 その結果、腸内細菌叢をもたない無菌マウスは、高脂肪食を与えても太りませんでした。また無菌マウスは、低脂肪食と高脂肪食のいずれの食事を摂取しても、肝臓の時計遺伝子の発現が変化し、24時間のリズムが狂っていました。つまり、食べる物の種類とは無関係に、腸内細菌叢がないと正しい概日リズムの調節ができないことが示されました。 一般的に、腸内細菌叢を作る細菌の種類は一日を通じて変動し、一日の中でも特定の種類の細菌が増えたり、減ったりします。次に研究者が従来のマウスに低脂肪食を与えたところ、この腸内細菌の日内変動も、時計遺伝子の発現も通常通り、乱れなく起きてマウスは肥満にはなりませんでした。一方、同じく従来のマウスに高脂肪食を与えると、時計遺伝子の発現の規則が変化し、概日リズムの乱れを生じたのです。結果、このマウス本来の性質とは異なる異常な時間にえさを食べるようになり、肥満になりました。さらにこの高脂肪食を与えた従来マウスは、腸内細菌の種類の変動も、低脂肪食のマウスと大幅に異なったパターンになっていました。 つまり食事の質は、マウスの腸内細菌叢の種類を左右するのですが、それだけではなく、腸内細菌の一日の変動パターンをも変え、時計遺伝子が制御する概日リズムにまでも影響するのです。細菌のパターンと時計遺伝子発現のリズムがどのような仕組みで連動しているのかは、これからの研究テーマです。また今後、ヒトでの検証も期待されますね。私たちが注意することは、不規則な夜更かしはやめて、十分な睡眠をとること、そしてバランスの良い食事を摂取することですね。 大西睦子 内科医師、米国ボストン在住、医学博士。東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部付属病院血液・腫瘍内科にて造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月より、ボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。08年4月から13年12月末まで、ハーバード大学で、肥満や老化などに関する研究に従事。ハーバード大学学部長賞を2度授与。現在、星槎グループ医療・教育未来創生研究所ボストン支部の研究員として、日米共同研究を進めている。著書に、「カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側」(ダイヤモンド社)、「『カロリーゼロ』はかえって太る!」(講談社+α新書)、「健康でいたければ『それ』は食べるな」(朝日新聞出版)。 (出典:毎日新聞) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017/10/16 05:00:04 AM
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