テーマ:本と出版について(527)
カテゴリ:考察
「ブラックジャックによろしく」休載の裏側、作者がWeb漫画で告白
「出版社に頼らない漫画制作を」――「新ブラックジャックによろしく」作者自らWeb配信 「新ブラックジャックによろしく」、新作30円、旧作10円で作者サイトから配信 上記の記事などで話題の漫画家、佐藤秀峰氏のHP「佐藤秀峰 on Web」で出版社に頼らずに独自に漫画を描き続けることができるかどうかの実験を始めるそうですがこのHPの4/21の漫画貧乏日記で出版社の偉い人にHPで自身の単行本を販売したいということを伝えたら駄目、或いはほぼ無理という回答を貰ったということ(ばっさりと要約しています。)が書いていました。 読んでみると、どうもよく解らない部分と、佐藤秀峰氏がぼかして書いている部分があるため、はっきりしないところがありますし、氏と出版社の偉い人の双方にもすれ違っている部分があるようにも読めます。 私の推測では「出版社の偉い人」というのは多分ですが、編集部の偉い人ではないかと思うのです。この推測が当たっているとして、まず、氏の失敗は、ここです。本の販売をしたいことを言うことは要するに書店を営業したいことと=です。ですが氏がこの場で会うのは編集部の人間ではなく、営業の偉い人に合わなければいけなかったはずです。この点が失敗でしょう。 一方、出版社の偉い人視点でみれば、漫画家(下請け)が馬鹿な真似を始めようとしているので、その試みを止める説得、または話し合いをするために出てきたら、なんだから変なは話をし始めたぞ、な感じでしょうか。編集の人間に(くどいようですがあくまでこの辺は私の推測です。氏の日記にはあくまで出版社の偉い人とだけ書かれています。)営業関係の話をしても、素人よりはマシでも玄人には適わない人間に卸しの話をしても通じるはずがなく、結局「著者関係者ということで、社員価格の定価の80%で特別にお譲りすることはできる。」「それ以下の値段で仕入れたいのであれば、電子書店を構えていただき、正式に取り次ぎを通して取引していただくしかない。」このような話に落ち着くわけです。 もっとも、実際に書店勤務をしたことがないので現実は解りませんので、私が勤めているコンビニの例からの予測ですが、大手出版社では直接書店(小売)と取引している訳ではなく、間に問屋を通じて取引しているはずです。 故に根本的な失敗は小売(書店)を始めたい人間が問屋(日販など)に問い合わせずに直接、出版社と取引したいと申し出ることがちょっと経験不足と実績不足だったなと思うところです。更に言えば、氏、自身が始めようとしている試みは、要は小売(個人書店)だと理解していないことが課題ですね。 一、下請けの一人として氏の挑戦を応援してます。
次回かどうかわからない予告 この記事の趣旨と合わないネタが同日の日記に綴られていますので次回辺りにその辺を元に書いていこうかと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[考察] カテゴリの最新記事
|
|