僕は「旧来のシステムがダメになりかけてるんだから、そんなことを言わずに新しいチャレンジできるようにご協力いただけませんか？」とお願いしましたが、丁寧に「漫画が無くなっても、会社がある限り、私達は給料をもらえるんですよね。」と言われました。

　これは佐藤秀峰氏の４／２１の日記よりの抜粋です。『会社がある限り、私達は給料をもらえるんですよね』ここの部分に注目してもらいたいのです。この台詞を見る限り小学館の編集者の大部分はこういう考え方をしているというのがよく解ると思います。何せ、日記には出版社の偉い人とぼかしてもそう書いているからです。
　この考えはある一面では真実でありますが、ある一面のみの真実だからこそ不味い。では、どこが不味いかは考えれば、当たり前のことを見逃しているからです。単純な問題を出してみます。『貴方の給料はどこかから、入ったお金を使って払っているのでしょうか？』答えといしてはいろいろありますが、単純に、純粋に、物凄く根元の部分まで下がっていけば、最後に辿り着くのは『出版物を買ったお客さんの懐から』です。そして、その出版物を創っているのがそれぞれの著者です。
　編集者はあくまで著者が創ったものが、自社の商品として売物になるかどうかを測ったり、販売する当時の社会情勢上問題がないか、特定の人を誹謗中傷しすぎていないかなどを検査すし、問題があった箇所の修正依頼や、クオリティを上げる指示や相談をすることが仕事です。
　確かに漫画が無くなっても他の出版物が無くならない限り、もっと言えば出版社で無くなっても、会社が残っていれば社員たる貴方達は給料を貰うことができますよね。ですが、自分達に回ってくる給料という名のパイは確実に減ります。減るだけで済めばいいが、苦しくなった台所事情で起こること、もとより身の丈にあった経営規模を実現するため、リストラの対象になって首切られる可能性も在り得ますよね？。

　また、他の出版社ではミスの多い組織は、不正も起こりやすい。 こんなことも起きているそうです。
　このエントリーは作家さんのブログですが、この方のブログを拝見していると度々、このような振込みミスが多発しているらしいのです。これを読んで正直、信じられない思いがします。大手でなくとも普通の会社はこんな信用を無くしかねない行為を行うはずがないのです。元にブログの中でも前の職である派遣社員時代にも給料や報酬の振込みミスや忘れ、踏み倒しなどは起こったことが無く（羨ましい）、きちんと給料日に振り込まれていたそうです。
　しかし、出版業界は大手出版社ですら、こんなことが日常茶飯に起こっているらしい。非常に経理や経営が他人事ながら心配になります。このような振込みミスが多いのは経理や経営を疎かにしている証ではないかと思います。
　漫画雑誌を発行すると、その時点では実質は赤字であるので、その後に発行される単行本で赤字を補っている、他の雑誌では主に広告収入で発行の経費を補っているというが現行の経営モデルですが、もしかして、実際は所は雑誌を作成する段階で発生する経費や原稿料などのお金の管理＝経理や経営がずさんな所為で余計な費用や人件費が掛かり、赤字に転落しているのではないか？。

　こんなことが多発している状況から、本当は自分達の足元すら見えていないのではないかと勘繰りたくなります。