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2011.08.11
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カテゴリ:昆虫(甲虫)


 このWeblogは「我が家のの・・・」なのだが、今日は「我が家」の生き物を紹介する。ジンサンシバンムシ(Stegobium paniceum)、屋内害虫の1種で、保育社の甲虫図鑑には「乾燥貯蔵動植物質の世界的大害虫」と書かれている。

 シバンムシ科(Anobiidae)シバンムシ亜科(Anobiinae)に属す、体長1.7~3.0mm(同図鑑に拠る)の小さな甲虫である。世界中に分布する大害虫であるにも拘わらず、Web上に精緻な写真がない様なので、掲載することにした。



ジンサンシバンムシ1


ジンサンシバンムシ.この個体の体長は約2.7mm

写真は何れもコントラストをやや強くしてある

冷蔵庫で充分冷やしてから撮影

(写真クリックで拡大表示)

(2011/08/10)

 此奴、実際に大変な害虫で、我が家に於ける被害は、金額的にも相当な額に達するであろう。

 兎に角、食物スペクトルが広く何でも喰う。退治しようにも発生源を突き止めるのが容易でないのである。また、我が家の様に外国の食料サンプルを沢山貯蔵してある所では、複数個所から発生しているのが普通らしく、大発生している場所を見つけて退治しても、他の場所でも発生しているから、未だに根絶出来ない。全く困った虫である。

 因みに、かなり以前に東南アジアから買って来た干メンにコクゾウムシの1種が付いていて、かなり我が家で繁殖したことがあるが、これは穀類かその加工品しか食害しないので、簡単に退治することが出来た。


ジンサンシバンムシ2


ジンサンシバンムシの腹側.常温に戻って暴れているところ

図鑑に拠れば、「前胸腹板突起は短く三角形」とある

矢印の部分が前胸腹板突起で確かに短く三角形

(写真クリックで拡大表示)

(2011/08/10)

 ソモソモ、このジンサンシバンムシが我が家に入って来たのは、今から20年程前のこと、ある大先輩に頼んでカルカッタから買って来て頂いたアサフェティダ(asafoetida、assafoetida、asafetida)と云う1種の香辛料に卵が付いていたのである。

 アサフェティダは、Ferula assafoetidaを主とするセリ科植物の根元から採ったヤニ(樹脂)で、硫黄を思わせる強い異臭を持つが、インドやその近くの国では、これを野菜、特に豆のカレーに極く少量入れるのである。純粋なものは非常に高価で、インドでは固まりではなく、細粉にし乳糖か何かで10倍位?に薄めて缶入にしたものが一般的である。最近はInternetでも売られているが、これも同様であろう。

 記憶に拠れば、頂いたのは7×3×2cm位の純粋なヤニの固まり、恐らく1000ルピー(1ルピーで野菜カレーが腹一杯食える)以上はしたと思われる。これを2つに割り、一つを砕いて料理用とし、こんな大きな固まりは珍しいので、残りの半分をサンプルとして保存して置いたのである。このサンプルの方からシバンムシが発生した。サンプルは結果的に穴だらけの火山岩の様になってしまった。


ジンサンシバンムシ3


少し斜め前から撮ったジンサンシバンムシ

(写真クリックで拡大表示)

(2011/08/10)

 我が家で被害にあっているのは主に干メン類(蕎麦、うどん、素麺、スパゲッティ、米から作った干メン等)である。今まで30kg位は処分したと思う。しかし、記憶に拠れば、紫菜(支那式の岩海苔の干物)、干し椎茸、ダール(印度式の干豆、レンズ豆、ヒヨコ豆等)、小麦粉、東南アジアの黒砂糖と椰子砂糖、その他「こんな物も喰うのか!!」と驚く様なものまで食害された。正に、「乾燥貯蔵動植物質の世界的大害虫」なのである。

 更に始末が悪いのは、成虫はかなり厚いプラスティックの袋でも食い破り、卵を産むのである。メン類などは、相当シッカリした容器に入れておかないと、未開封でもやられてしまう。


ジンサンシバンムシ4


正面から見たジンサンシバンムシ.やや警戒中

この方向から見ると、触角先端3節は

単純な[細長い球桿状]でない

(写真クリックで拡大表示)

(2011/08/10)

 九州大学の日本産昆虫目録に拠ると、ジンサンシバンムシは1属1種だが、一見よく似た種に、やはりに世界的に分布する乾燥動植物質の大害虫であるタバコシバンムシがある。セスジシバンムシ亜科に属すので少し縁遠いが、体の外観はよく似ている。しかし、触角の先端3節が、ジンサンシバンでは写真の様に細長い球桿状であるが、タバコシバンでは鋸歯状なので容易に区別が付く。尤も、3mm程度の虫の触角を調べるのは一般的には一寸難しいかも?

 尚、ジンサンシバンムシの「ジンサン」とは朝鮮人参の人参(ginseng)のことである。私は朝鮮語を解しないので分からないが、ginsengの本当の発音はジンセンよりはジンサンに近いのかも知れない。北京官話の「eng」は、日本人にはエンよりはアンに近く感じられる。


ジンサンシバンムシ5


図鑑には「各上翅は11本の点刻を含んだ細条溝をもつ」

とあるが、勘定するとチャンと11本ある

(写真クリックで拡大表示)

(2011/08/10)

 今日はジンサンシバンムシの被害についてばかり書いて、形態的特徴の方は本文中には殆ど書かなかった。代わりに写真の下に形態学的な説明を少し入れて置いた。







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最終更新日  2011.08.11 15:20:40
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