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March 12, 2008
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旅人と虎の話

晩秋の夕暮れ、旅人が家路を急いでいる。
辺りが段々暗くなる中、道に白いものが転々と落ちている。
何だろうと観ると、それは人間の骨だった。気味が悪いと思いながら先へ行くと、
向こうから飢えて荒れ狂った虎がうなり声をあげて襲いかかってきた。
さっきの骨もお前のしわざか!と旅人はあわてて逃げ出した。

逃げていくうちに崖っぷちにきてしまう。
下を覗き込むと怒濤が渦巻いている。後ろからは虎。
ふとみると、崖に松の木が立っている。
旅人は松の上に逃げるが、虎は気に登ることを苦にもしない。

もうだめだと思ったとき、松の枝から1本の藤蔓が下がっていることに気がついた。
旅人はそのツタにぶら下がった。
虎は松の木の途中まで来ているが旅人を襲うことはできない。
しかし空腹なので立ち去らず旅人を狙っている。

とりあえず命拾いしたと思おう間もなく、上の方でカリカリと音がする。
見ると黒と白のネズミが交互に蔓の根をかじっているのだ。
虎に襲われる心配ばかりしていたが、
こんどはネズミに頼みの綱を噛み切られてしまいそうだ。
下を見ると、怒濤の中に、赤、黒、青の龍が口を開けて待っている。

旅人はネズミを追い払おうと蔓を揺すると、上から何か落ちてきて
旅人の口の中に入った。「甘い!」それはハチミツだった。
シメシメとばかりに、今度は蔓が切れてしまうにもかかわらず
旅人はハチミツ欲しさに蔓を揺らし続けるのだった。


         ***


これは、お釈迦様が比喩をもって、人生を説いたものと言われています。
「旅人」は人間、「晩秋の夕暮れ」とは、一人で生まれてきて一人で死んでゆくしかない人生、
その人間に襲いかかる病魔や死が「虎」、「松の木」は財産や地位名誉を表しています。

財産や地位にすがったら救われると信じて一生懸命生きても必ず虎は襲って来る。
だからそんなものは何の足しにもならない。結局人間は頼りない蔓に身を任せるしかない。
一抹の望みである蔓を交互にかじる「白と黒のネズミ」」は昼と夜を意味していて、
時間は容赦なく過ぎていく、つまり1日1日死に近づいている。
ところが愚かなことに、それがわかっていても、人間は甘いハチミツをむさぼり
目の前に死が迫っていることも忘れてしまう。

説話に出て来る、赤、青、黒の龍は、怒り、欲望、愚痴、
仏教で言う三毒を表しています。
この龍は人の心が作り出したもので、本当の海は穏やかなもの。
心を高めれば龍は消えてしまい、何も恐れることなく人生を全う出来ると
お釈迦様は教えて下さっています。


        ***


人生の無常とおろかな旅人。

ハチミツは結婚かもしれないよと友達が言ったことがありました。
恋人とと甘いひとときを過ごすことかもしれないと私は思いました。
ハチミツは何かと考えていました。
ずっとよくわからなかったし、どうしたらいいのかもわからなかった。


でも最近ふと思ったんです。
龍はいない。私がそういう想いを持たなければ。
虎は襲って来ない。その時が来るまでは。
だから逃げなくてもいい。

蔓を登って、松の木からおりて、虎を傍らに従えて、旅を続ければいいんだ。
蔓にすがって甘いハチミツで不安を紛らわせなくても、
地位や財産や名誉にたよらなくても、
虎を従えて旅を続けるということが大事なんだ。

旅に疲れてもう食べてほしいと虎に懇願しても
その時が来なければ虎は食べてくれない。
虎は死の象徴だけど生きることの保証でもあるのだと私は思いました。


   ***

今日のメルマガで、こんな詩が来ていました。



作:谷川俊太郎


生きているということ、いま生きているということ、
それはのどがかわくということ、木もれ日がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ 

生きているということ、いま生きているということ
鳥ははばたくということ、海はとどろくということ、かたつむりははうということ
人は愛するということ 






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最終更新日  March 12, 2008 11:10:05 PM
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