小さな冷蔵所を開け、卵が6個。食べるものにも困らない
「小さな冷蔵所を開け、卵が6個。食べるものにも困らない」インタビューにそう答えたのは、伝説のジャズミュージシャン、ルイ・アームストロング。この質問はたしか、今幸せですか?というようなもの。それに答えて、卵が6個も冷蔵庫にあって、これ以上の幸せはないってこと。今夜あんまり食欲がなくて、チヂミでもつくろうと、卵を買った時にふと思い出したんです。彼の子供の頃は卵なんて家にあったためしがなかったんですね。アメリカで人種差別が法律で認められていた頃、政府公認の売春地域で売春婦の子供として生まれたと言われています。父親もわからず、生年月日も実は不明。いたずらで発砲事件をおこして少年院へ送られ、そこで出会ったトランペットで音楽家としての才能が開花します。素晴らしいミュージシャンで大人気にもかかわらず、黒人だという理由で酷い差別を受けつづけます。「抱きしめてキスしてほしいと言ってるんじゃない、普通の人間として扱ってほしいだけだ」キング牧師など民衆と戦った立派な黒人がいる一方、彼は音楽家として平和を貫いて、何を言われてもじっと辛抱していつもにこにこ笑っていた、逆の表現で平等を訴えた人です。そんな過酷な人生を歩いてきて60歳を過ぎた晩年、この素晴らしき世界(WHAT A WONDERFUL WORLD)が後年、世界的大ヒットに。彼の歌う「この素晴らしき世界」はこう言っています。神様がつくられた美しい世界が目の前にあって、あなたと私、みんなが愛しあっていれば、それが最高の幸せ。WHAT A WONDERFUL WORLD(作詞・作曲: George David Weiss - G. Douglass)(この素晴らしき世界)I see trees of green red roses, tooI see them bloomfor me and youAnd I think to myself"What a wonderful world !" I see skies of blueand clouds of whiteOn the bright sunny day,or in the dark sacred nightAnd I think to myself"What a wonderful world !" I see the colors of the rainbowso pretty in the skyAnd also on the faces of people going byI see friends shakin' handssayin' "How do you do?"I know they're really saying "I love you"I hear babies cryI watch them growI know they'll learn much more than I'll ever knowAnd I think to myself"What a wonderful world !" 木々の緑赤く萌える薔薇あなたとわたしのために咲き繁るそしてわたしはひとりつぶやく「なんて世の中は素晴らしい!」紺碧の空純白な雲輝くように晴れた日も神秘的な夜もそしてわたしはひとりつぶやく「なんて世の中は素晴らしい!」七色の虹が空に美しく映える通りゆく人々の上にも輝く握手を交わす人々「はじめまして」と挨拶を交わしているだけど本当は「愛しています」といっているのさ赤ん坊のなく声彼らが育つのを見守る彼らはわたしが想像する以上にいろんなことを学んでいくだろうそしてわたしはひとりつぶやく「なんて世の中は素晴らしい!」