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カテゴリ:人文:今日の言葉この1冊
あまり気にしたことがなかったのだけど、 善悪や正義がテーマの映画や小説って多いですね。 というか、西部劇も、時代劇も、刑事ものも、推理ものも、 冒険SFものも、当然戦争ものやディズニーでさえ、 善悪や正義+愛、がテーマなんですよね。 そうじゃない人間の情感だけの話って ラブストーリー以外はあまり多くはないんですね。 サザエさんやちびまる子ちゃんみたいなファミリーものくらい? 悪い人たちのことなんて普段考えもしないから そんな人は私の周りにはいないと思っているだけで 誰の心にも善と悪の両方があるんですよね。 <インファナル・アフェアズ>というトニーレオンとアンディラウ主演の 潜入捜査官の話と、 <評決>というポールニューマン主演の医療訴訟の話を観ました。 マフィアに潜入している捜査官はあきらかに正義の味方だとわかるんだけど、 警察に潜入しているマフィアの手先は、警察官を演じているうちに 内部機密を逐次漏らして上官まで死なせているのに、 自分は本当は善人なんだという気が芽生えて、 邪魔になったマフィアのボスを殺してしまうのです。 自分はこれからは善人になる、というのですが、 自分がやった過ちは、あれは不可抗力の不幸な事故だった、 と言いたげな雰囲気で、結局保身のためになんでもする人間でした。 この間観た<許されざる者>の主人公も 若い頃は残虐な人間だったけど本当に改心します。 そして仲間の復讐のために本当に悪い奴をやっつけて、 クリントイーストウッドはかっこ良かったって正義の味方なんだけど、 ほんとにそうなのかな?ってちょっと疑問も。 どんなに悪いことをしても、改心すれば許されるのかな? 映画はいいところで終わるけど、その続きがどうなるかの想像は 観た人次第です。 そういう意味で、<評決>は、ふだんは力のある人たちが 権力で不正を行い続けて、それがまかり通っているけど、 あまり度が過ぎると、小市民の心の正義だって、声は小さいけど はっきり言うよっていう話です。 若い頃正義感を出して社会的につぶされ落ちぶれた主人公が 追いつめられながら初老の力を振り絞って戦う姿に おそらく現実の正義って本当にこういうもんなんだろうと思いました。 陪審員たちは直接利害関係がないから、 神様のように公平な立場で判断できるのです。 いつもこんなふうにいくと、とてもいいんですが。 日本でも陪審員制度が始まったら、 法廷もののドラマが増えるかもしれないですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
March 17, 2009 01:47:53 AM
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