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テーマ:詩&物語の或る風景(1047)
カテゴリ:ショートショート
「オラ これがほしかったんだ! もらっていくよ!」 お日様を雲に包んだら熱くありません、 しっぽのミュウは自分の家へ 持って行こうとしました。 「だめだよ! そんなことボクが許さない!」 とんがり口のボアが叫んで止めました。 「なんだよ、最初にオラが見つけたんだぞ!」 「ちがうよ、ボクだよ。」 二人とも雲に包まれたお日様を離そうとしません。 とうとう雲が割れてしまいました。 そして中からお日様がにこにこした笑顔で出てくると、 「二人とも喧嘩はおやめなさいww 私は二人のものよ。 だけど全ての人のものでもあるのよ。 分かって。 誰かの物になるというのは、誰かのためだけに私は光輝くの。 でもね、そうしたら他の人に光は届かないでしょ?」 しっぽのミュウと とんがり口のボアは顔を見合わせて、 「それも 困る」 と笑いました。 お日様は続けました。 「それにたった一人のものになってしまうと、 そのもの自体のすばらしさは他の人には分からなくてよ。 分け与えて共有することで無限の可能性が生まれるの。」 「だけど 僕たちはあなたを愛してるし愛されたいと思っていた。」 「そうよ今もこれからもずっと愛してる。 一人ひとりいつも光に包まれているって 愛に包まれているって想っていてね。」 「ありがとう・・・」 しっぽのミュウととんがり口のボアは目をキラキラさせていました。 こうして今でもお日様はすべてのものに光り輝いて その愛を与えてくれています。 ―おしまい お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年08月31日 14時18分49秒
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