<<『白雪姫』>>
『白雪姫』「鏡よ、鏡。世界で一番きれいな女性は誰かしら?」白雪姫は鏡に向かって話しかけます「それはお姫様、あなたです。」鏡はそう答えないと割られてしまうのでしかたなく答えました。自分で12代目の鏡です。でも鏡は知っていました。本当に美しいのはお妃様が世界で一番だと。でもある時、メモリーチップを交換されてこう答えてしまったのです。「鏡よ、鏡。世界で一番美しい女性は誰かしら?」「姫様、それはあなたの母君です。」「じゃ、次に美しい女性は誰かしら?」「姫君です…(汗)」姫君は思いました。継母に毒りんごを食べさせようと――お妃様が居なくなってから、姫君は鏡にたずねます。「鏡よ、鏡。世界で一番美しいのは誰?」「…姫君です…」鏡も必死です。ここで割られてしまっては今までの努力は無駄になります。年月が立ち、魔女に毒りんごを食べさせられ、永い眠りについたお妃様が目覚める時が来ました。素敵な王子様がその美しさに見とれてキスをすると、お妃様は気がつきました。「ありがとう、あなたは?」「僕はこの近くの領主の息子です。あなたこそ、永遠の美しさのまま毒りんごに眠らされた伝説の白雪姫?」「姫だなんて…」生命維持装置のカプセルで若さも美貌もそのままの姿のお妃様。外部から不法侵入者が入らないように小人ロボットがかいがいしく面倒を見ていたのです。王子のお城でお妃様は一緒に暮らしました。お妃は鏡に伺います。「鏡よ、鏡。世界で一番美しい女性は誰?」「もちろん、お妃様ですよ~。あの後、たいへんだったんですから~姫君がなくなる130歳まで、姫君が世界で一番きれいだってウソをついていたんですよー。さすがにAIチップ入りの私だって、回線がショート寸前でしたから~ww」そして、お妃様を毒りんごで殺害しようとした姫は、実年齢のままカプセルで冷凍保存されていたのでした。(おしまい)