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カテゴリ:社会
恐らくこのネタで幾多のブロガーがもうすでにネタにしていると思う訳で、今更何を付け加えることがあるのか、との向きもあるだろうが、まあ、こういう時事ネタも拾っていって、話のテリトリーを広げていこうと目論むわけである。
このブログの究極の読者は『x年後の自分』の自分である訳だが、10年後、あるいは20年後(もう50代だなんて、考えられない…)の私に向かって若干の時代背景を。 ・2007年当時、まだ完全には地上デジタル放送には移行しておらず(完全移行は2011年7月から)、日本のテレビには、限られたチャンネル数しか存在していなかった。 この結果、低俗な番組あるいは極端な偏向番組を垂れ流しても、当該チャンネルが淘汰されるといった、健全な状況はまだ整っていなかった。 ・当時の視聴者のリテラシーレベルは低く、例えば「納豆を朝に2パック食べるとやせる」といったデマ情報をそのまま鵜呑みにして、実践するバカが続出した。 実際、いくつかのスーパーでは、店頭から納豆が消えるという事態に陥ったらしい。1970年代のオイルショック騒ぎで、風の噂が広まって、店頭からトイレットペーパーがなくなるという椿事が起こったが、2007年当時の一般庶民の教養レベルもその程度だったのである。 ・まだテレビというメディア自体がしぶとく存在していた。企業がマスメディアとしての広告価値を見いださなくなり、また大多数の視聴者がネットに移行する、そんな過渡期にあった。 …とこんなもんであろうか(^_^;)。 [本題に移りますマーク(嘘)] 以下、取りとめもなく雑感を箇条書きに。 ★元来、この番組が続いていたこと自体、視聴者そのもののリテラシーレベルを反映している。 今回のケースでは、納豆を続けて食べた8人のデータが捏造だったとされているが、仮に、これが捏造でなかったとしても、 1) 8名という少ない標本数で「データ」と言い切れる、統計学上のセンスに疑問 2) 納豆を偏食することによるside effectに関する検証は? 短期間で、体重が減ったように見えるのは、単に、食事前に重たい納豆を摂取した結果、トータルの食事量が減っただけなのでは? その際の栄養バランスの偏りは心配しなくて良いのか? 3) 体重は、黙っていても一日に±1~2kg 変動するはずだが、その時間推移を考慮した測定だったのか? 4) プラシーボ効果を考慮していたのか、その検証は? …とまあ、ざっと以上程度のことを踏まえただけでも、安易に実践に移そうという神経が理解できない。まあ、信じる者は救われるのだろう。アーメン。 ★今まで放送した健康法を、全部やったら人間として破綻するってことに気付かんかね? これって、確か浅越ゴエのネタだったと思うが。 ★「実験データは捏造だったが、研究論文に基づいて制作している」と番組側は説明しているようだが、話にならない。一般に、学術誌に掲載されたからといって、その論文の内容が真実であるとは限らない。その認識すらなく番組を作っていたのかと驚愕する。 例えば、一部の物理学会の論文集には「相対性理論は誤りだ」とするトンデモ投稿が掲載されているケースは未だにある。 これは、論文掲載の段階で、極端な色眼鏡のフィルターをかけて掲載を見送ること自体、学問の自由を阻害するという考えがあるためである。学会は自由に各学者が研究成果を発表し、議論する場である。結論づけられた内容だけが学術誌に掲載されている訳ではない。 ★23日現在、テレビ制作会社・日本テレワークの社長は辞任を表明したが、関西テレビの社長については、役員報酬を3ヶ月30%カットだけという甘い処分に収めている。 責任の所在はできるだけ下請けに。日本の社会の縮図の一端である。 ★スポンサーへの言及については保留しておく。このスポンサーが私が勤める会社の競合であるからでもある。 ただ、過去、明らかにスポンサーへの配慮と思われる、偏向的な内容があったのは事実である。例えば、花粉対策のマスクに対する実験の回や、極端にUVカットを強調する内容の回である。まあ、民放のテレビ番組が、スポンサーからのしがらみから逃れて完全中立だと思うこと自体が幻想だが。 しかし、明確な証拠とともにこうした事実をブログに論じられる訳ではなく、ここでは割愛する。 番組は「過去にこうした捏造がなかったか検証する」と言っているが、スポンサーに絡んだ回の内容はおざなりにしか検証されないだろう。まあ、それが商業主義ってもんである。 ★フジサンケイグループのZAKZAKでは、圧倒的に「あるある」にまつわる報道が少なかった。身内の不祥事とはいえ、骨太な報道を期待していただけに残念である。 これでは「NHK番組改変問題」で自民党政治家による政治介入があったと捏造した朝日新聞と五十歩百歩である。 このグループには、こうした勢力に対するアンチテーゼでいていてほしいのであるが。 ★この番組の各回についてウォッチングしている、こんな優れたサイトがあった(「あるある大辞典」のコーナーにリンク)。各論はこちらを参照されるのが吉かと。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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(2012年03月29日 04時44分04秒)
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