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テーマ:不思議な世界(697)
カテゴリ:不思議な世界
イギリス滞在もこの日(8月30日)が最後となりました。
それまでに訪れた庭園には、furafuranさんが夢で見た白いドームの建物は見つかりませんでした。 でも、まだ希望はありました。 それがキュー・ガーデンズです。 二年前(2007年)の9月23日、TBSの「世界遺産」という番組でfurafuranさんがキュー王立植物園(キュー・ガーデンズ)を見た時から、彼女はこの植物園に行きたくなり、さらに相前後して自転車に乗ってここを訪れる19世紀の映像をたびたび見るようになったのです。 furafuranさんがその後に見た映像では、私も自転車で一緒にキュー・ガーデンズを訪れていたことになっています。 もちろんいずれの映像も、100年以上前の当時の服装で、です。 たぶん最終日に見つかるだろうなという予感はありました。 というのも今回の旅行中、furafuranさんが以前何度も訪れた庭園がちゃんと見つかるかしらと心配になったとき、過去生ガイドの女性が「大丈夫よ、ちゃんとわかるから。心配しないで」とfurafuranさんに話していたからです。 ロンドンのピカデリーサーカスから地下鉄を乗り継いで、キュー・ガーデンズに到着します。 ものすごく広大な植物園です。 約300エーカーと書かれていますから、あの広い神代植物公園が三つぐらい入ってしまう敷地面積でしょうか。 1759年にジョージ3世の母后プリンセス・オーガスタが庭師に命じて造らせたのが始まりだそうです。 その後キャプテン・クックに随行して世界各地を旅した植物収集家のコレクションが加わり、今では4万種以上の植物が育てられるなど世界最大の植物園へと発展。2003年には世界遺産に登録されました。 この植物園の魅力は、植物もさることながら、そこに動物たち、とりわけ水鳥たちが豊かに生息していることでしょうか。 ガチョウたちのお食事風景です。 こんな感じで、あちこちに木製ベンチが設置されています。 こちらはオオバン(クイナ科の水鳥)。 羽毛の生えた、オシャレな水かきですね。 私たちがベンチでお昼を食べようとして、ガサゴソしていたら、ダッシュしてこちらに突進してきました。 もちろんこの子はその後、お弁当のおすそ分けを少しだけもらっていますが、ずいぶん慣れていますね。 気になったので撮影した木。 こちらはカモメさんですが・・・ 写真を撮ろうとした瞬間に、飛び立たれてしまいました。 そうこうしているうちに3時間ぐらいが経過したでしょうか。 あちこち歩き回ったのですが、furafuranさんの夢の中に出てきた白いドーム型建物はどこにもありません。 ここではなく、もしかしたらハイドパーク辺りにあるかもしれないな、などと考え始めていました。 そしてそろそろロンドンへ戻ろうかなと思ったときです。 ふと最後にキュー・パレスという王室の館を見ておきたいなという思いが浮かびました。 時計を見ると、パレスを見て戻る時間ぐらいはありそうです。 地図で大体の場所を確認して、パレスへと向かいます。 とにかくキュー・ガーデンズは広いんですね。 私は道を二回ほど間違えて、人通りの少ない変な小道に入ってしまいました。 私の方向感覚も鈍ったものです。 そのとき、furafuranさんが「ここに来たことがある!」と大きな声を出し、その小道を進み始めます。 私は「えっ、まさか」と思いつつも、彼女の後を続きます。 そして少し歩いた右手に、それまでは樹木が生い茂っていて見えなかった場所に、開けた丘のような場所があることに気づきます。 その景色を見たfurafuranさんは「あっ、ここだ!」と声を上げます。 私がその右手の丘の上を見ると、なんとそこには白っぽいドーム型の建物が建っていたんですね。 今ではくすんで灰色になってしまっていますが、おそらく100年以上前はもっと白い建物だったに違いありません。 furafuranさんはこの建物に間違いないと言います。 もう半ばあきらめかけていた夢の中の建物がそこにありました。 ちゃんと私が道を二回も間違えて、ここにたどり着くようになっていたわけですね(笑)。 ここは、2人で何度か訪れているお気に入りの場所でもあったようです。 後で地図で見たら、前日のハンプトン・コート宮殿も、キュー・ガーデンズもそれほど離れた場所にあるわけではありません。 つまり、もしその中間地点であるリッチモンドに暮らしていたとすると、宮殿へもガーデンズへも家から自転車で楽に行ける距離にありました。 リッチモンドはロンドン郊外に広がる英国王室の保養地で、鹿や鳥など動物たちの楽園でもあります。 道理で2人とも、鹿や鳥が今生でも好きなはずです。 おそらく19世紀には、私たちはこの辺りに住んでいたに違いありません。 夢の謎がまた一つ解けました。 これで本当に今回の旅のミッション完了です。 しかし、この旅行後に新たな展開がありました。 イギリスから帰国後、どういうわけか急にギリシャに行くことになったんですね。 そしてギリシャ行きが決まってから、何気にキュー・ガーデンズで見た白いドーム型建物は何だったのだろうと、のんきに調べてみました。 英語でTemple of Aeolusと書かれています。 Aeolusとはなんじゃいな、と辞書を引くと、アイオロスというギリシャの風の神様とあります。 ギリシャの風の神の神殿――。 この白いドーム型の建物は、間違いなく、ギリシャの過去生の旅へと誘(いざな)う道標。 ギリシャに行くことは、このときすでに決まっていたわけです。 (続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.03.02 12:53:09
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