カテゴリ:映画・演劇(とりわけミュージカル)評
ミュージカル Love Never Dies 日本語版の千穐楽(せんしゅうらく)公演を2階席から観ました。カーテンコールで舞台挨拶があったので、そのようすを後半に書きます。
本作の公演は、すべての回が満員御礼・起立絶賛(スタンディング・オヴェイション)だったそうです。わたしは3回観ました。笹本玲奈さんの多様な魅力が楽しめて、ファン必見の作でした。 ところで、公演の名前ですが、原題は Love Never Dies だから、すなおにカタカナにすれば 「ラブ・ネバー・ダイズ」 です。三単現の -s を抜かした「ラブ・ネバー・ダイ」というカタカナは、とても堪えられません。 再演のときは 「オペラ座の怪人2 ―愛は死なず―」 でお願いしたいです。それともひょっとして 「オペラ座の怪人」 は劇団四季が商標登録済? 260427 ミュージカル ラブ・ネバー・ダイ @ 日生劇場 音楽・脚本: Andrew Lloyd Webber 出演: 鹿賀丈史、平原綾香、笹本玲奈、田代万里生、香寿たつき、加藤清史郎、あべみずほ、辰巳智秋(たつみ・ともあき)、ひのあらた (千穐楽。これまでの2度の観劇で観られなかった鹿賀さん、平原さん、香寿さんにも会えたので、主要キャストで観ることができなかったのは笹本さんとダブルキャストの彩吹真央さんだけ。さて、鹿賀丈史さんは本調子でなく音程が乱れるが、台詞がダンディでカッコいい。平原さんはみごとに歌い切ったが、台詞と歌が断絶しているのが惜しい。改めて濱田めぐみさんのすごさを実感。笹本さんのメグのラストシーンが、妖しい夢を泳ぐような みごとな役づくり。カテコで舞台挨拶あり、詳しくはブログ本篇で。) 260402 ミュージカル ラブ・ネバー・ダイ @ 日生劇場 音楽・脚本: Andrew Lloyd Webber 出演: 市村正親、濱田めぐみ、笹本玲奈、田代万里生、鳳 蘭、松井月杜(つきと)、あべみずほ、辰巳智秋、ひのあらた (笹本玲奈さんの Meg Giry は 「水着の美女」 がいちだんと cheerful だし、グスタフを誘拐したラストシーンは鬼気迫るすごみがあった。市村正親さんが、高音にもパワーで向かって歌い上げた。田代万里生さんの第2幕冒頭 「なぜ僕を愛する?」 から 「負ければ地獄」 に至る歌、凝縮した思いが詰まっている。ラウルは、万里生さんだね。濱田めぐみさん、今宵も鳴り止まぬ拍手。カテコで市村ファントムが田代ラウルにガンつけして、ウケていた。) 260322 ミュージカル ラブ・ネバー・ダイ @ 日生劇場 音楽・脚本: Andrew Lloyd Webber 出演: 市村正親、濱田めぐみ、笹本玲奈、鳳 蘭、加藤清史郎、橘慶太、あべみずほ、辰巳智秋、ひのあらた (笹本玲奈さんの Meg Giry が、変化に富んで快活で、とても楽しい存在。濱田めぐみさんのソロがみごと。きょうは鹿賀丈史さん主演の回だったのだが、体調不良で市村さんに交代。ファントム役と鳳蘭さんの Madame Giry 役の歌は高音を歌いきるのに少し苦労していた。) さて、舞台挨拶の様子です。 笹本玲奈さん 「今回わたしが演じたメグは残念ながら殺人者ということで…… (隣の平原綾香さんが 「そんなことないわよ」 とささやいたようす) ……え? でもやっぱり殺人者よね。殺そうと思って殺したわけじゃないって? まぁ、ミスによる殺人というか……ということで複雑な気持ちですが、でも、大好きな先輩がた、そして日頃はご一緒する機会のない(平原)綾香ちゃんとも同じ舞台に立てて、楽しい公演でした。 メグは、お芝居のなかでいろんな形で登場し様々な面を見せる、演じ甲斐のある役でした」 加藤清史郎 「歌がとても難しかったですが、1回1回こころをこめて歌いました。今日で終わりかと思うと、さびしい気持ちです」 香寿たつき 「わたしも、とても難しい歌をいただきました。わたしは舞台上の役者をよく植物にたとえます。舞台の上で光を浴びて光合成をしてすくすく伸びていく植物です。今回の作品は、これまでになく最高の光合成をすることができました」 田代万里生 「毎回、恋に破れ、酒におぼれ、ひとに捨てられということで、いいことのないラウルをダブルキャストで演じる橘君と、慰め合う日々でした。 今回の公演は、すべての回が満席でスタオベということで、こんなことはこれまでで初めてでした」 平原綾香 「今回のお話をいただいたときは、ほんとにビックリいたしました。オペラのような形の歌は歌ったこともなかったし、お芝居も初めてです。こんな素人が舞台に立ってよいのかと。でも舞台にいてすばらしいキャストの皆さんと一緒にいると、自分の台詞がないところでも、相手の役者さんと目が合っただけで心にこみあげてくるものがあったりする。こういう機会を与えてくださったホリプロさん、そしてキャストの皆さんに、改めて感謝の気持ちでいっぱいです。 (背後にいるキャスト一同に向かってお辞儀) 今回の作品はオペラ座の怪人の10年後の話ですが、ファントムもクリスティーヌもラウルももちろん架空の存在であるわけです。10年といえば、わたしも歌手になって10年になります。でも、オペラ座の怪人はもっともっと長い時を経ていて、すでにファントムもクリスティーヌも、単なる架空の存在ではないと思うのです。わたしは毎回クリスティーヌに、あなたの声をくださいとお祈りしてきました。 とにかくこうなったら命をかけて取り組もうと、舞台に骨をうずめようと思って、頑張ってきました。昨日の前打上げで、そろそろ舞台から骨を掘り出そうと思うと言ったら、場違い発言だったようなのですが(笑) やっと終わったと思ったら、今度はわたしのソロ・コンサートが待っておりまして、そこでもまた 「愛は死なず」 を歌うようにとファンの皆さんからご要望がありまして、また歌わせていただきます」 鹿賀丈史 「今回の公演では、最初3~4日を終えたところで、歌をお聞かせできるような声が出なくなってしまいました。ダブルキャストの市ちゃん (いっちゃん、市村正親さん) が、それじゃぁ、俺が代わってやるよ、と言ってくれて、結局5回ほど代演してもらいました。その日その日の舞台を楽しみにして来られるお客様には大変失礼なこと、あってはならないことで、たいへん申し訳ありませんでした。この歳になって、舞台と病院を往復するような日々となってしまいました。改めて、お詫び申し上げます」 会場の熱い拍手のうちに、鹿賀ファントムと平原クリスティーヌ、加藤グスタフの親子3人を全キャストが取り巻くカーテンコールが続きました。 * 今回の Love Never Dies は、ファントム、クリスティーヌ、マダム・ジリーの歌に飛びぬけて高い音があり、歌い手泣かせの作品でした。 さて、本作の再演でファントム役は誰になるでしょう。山口祐一郎さん、鈴木綜馬さんあたりでしょうか。 メグ役は、引続きぜひ笹本玲奈さんに演じてほしいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Apr 28, 2014 08:13:07 AM
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