世に棲む日々

前回の記事で誤診の可能性について触れました…

もちろん，誤診はあってはいけないことですが
同じ病気でもその症状に個人差がある以上
この仕事は個人の経験に負う面が大きい
ですから，他の業界以上に新人とベテランでの
信頼度に差があるような気がします。

だからこそ，
経験に依拠した思いこみによる誤診の可能性を否定できない…

もちろん，経験に頼ることなく
科学的・客観的に診断することが
求められていることは言うまでもありません。

しかし，そのためには世界中で次々に見つかる
症例や治療法を研究しなければいけませんが
現在の過酷な医療現場の労働環境を考えれば

それに加えて研究する時間を持つのは不可能です

しかし，それが不可能でなくなるかもしれません…

医療診断のグーグルという宣伝文句で売られている
「イザベル」という診断ソフトがあるそうです。
グーグルとは違って有料なんですが
なんでもイザベルというのは
誤診で亡くなった女の子の名前で
その父親がソフトの開発者らしいです。

このイザベルは常に世界中の医療論文などから
情報を更新することによって
巨大な医療データベースを構築し
患者の症状を入力すると
複数の症例の可能性を提示してくれるそうです

このイザベルの有名なエピソードに
大学病院に運ばれてきた患者の症状を見て
大学教授たちが診断を下すよりも先に
その場にいた医学生がイザベルにアクセスして
適切な症例と治療法を提示することができた…

私はイザベルは複数の症例を呈示することに
意味があると思います。
私たちは自分の経験に依拠することで
どうしても特定の結論にとらわれてしまう
可能性を否定できないのではないでしょうか？

そして，私たちの業界でもこのことは言えることだし，
考えなければいけないことだと思います。

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