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カテゴリ:小説・海外
マンガばっかり読んでるわけじゃないぞ!!、と見栄をはりたいので、久しぶりに本の感想。
カナダで弁護士をしながら執筆を続けて、40年越しの夢を叶えた長編。 あらすじはamazonからのコピペ。 「彼女を死なせた。死なせてしまった」 血に濡れた両手を差し出し、そう告げたのを最後に、容疑者は完全に口を閉ざした。 浴槽の中で見つかった内縁の妻の死体。 見かけどおりの単純な事件なのか、それとも……すべての鍵はその沈黙の中にある。 事件関係者、警官、検察官、弁護士ら、それぞれに過去を背負う登場人物が織りなす迫真の群像劇。 緻密な構成と真実を追う者たちへの温かな眼差しが光る、現役弁護士作家渾身のデビュー作! シンは元運会社の技術長で、お金に困ってるわけではないが、「働くことは生きること」と新聞配達をしている。 で、その配達先の高級アパートメントのプレースが、手を血で濡らして「彼女を死なせてしまった。」とシンに言うところから、事件は始まる。 書き出しはシン視点なんですが、プレースとの過去のやりとりを描いた辺りが良いです。 で、最初に現場に到着した巡査部長のケニコット。 事件の捜査に当るグリーン刑事。 プレースの弁護士になるパリッシュ。 今は落ちぶれ気味だけど、この事件で復活をかける新聞記者のアマンクワ。 野心家の検察官・フェルナンディス。 これにシンと、六人の視点が入れ替わって、話が進んでいく構成。 プレースはカナダでも人気のラジオ司会者で、殺したと目される女性は内縁の妻。 ケニコットは元弁護士で、兄を殺された事件が未解決。 なので警官になった。 グリーンはその兄の事件の捜査担当をしていた。 フェルナンディスは移民なんですけど、野心バリバリ。 それを滑稽に描いていて、面白いです。 シンに告げた言葉の後、プレースは一切、口をきかなくなってしまう。 弁護士のパリッシュとも筆談。 事件の真相は?。 黙ることによるプレースの思惑は?。 すっきりした終わり方はしてないんですよね。 たぶんケニコット絡みで、続編を考えているのかな、と。 「何故プレースは黙っているか?」の理由は、意外だったので、その点は面白かった。 なんですが・・・。 如何せん、大勢の登場人物視点で描いたせいで、大味になってしまった感がありました。 個人的にはシン、アマンクワ視点はいらないんじゃないかと。 あ、でもシン視点の箇所は良いシーンがあるのでもったいない気もするか。 パリッシュはプレースの状況を描くのに必要なんですが、それだけの人物になってしまったし。 もっと絞って丁寧に描きこんだ方が、私は好みですね。 一足飛びと感じられるところが多々ありました。 ケヴィンとグリーンは良いキャラなので、この2人の続編が読みたいです。 って言うか、たぶん作者はそのつもりなんじゃないかと。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年03月01日 21時35分41秒
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